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アップルやアマゾンにも圧力--法人税回避対策に乗り出したEU

三国大洋

2014-10-16 11:45

 アイルランド政府が、よく「ダブルアイリッシュ」と称される多国籍企業の節税策を禁じる方針をまもなく明らかにする予定だとThe Wall Street Journal(WSJ)が米国時間10月13日付の記事で伝えている。

 AppleやGoogle、Amazonなども関係するこの関連の話題については、かなり以前に取り上げたきりになっていたので、おさらいの意味も兼ねて、ここ半月ほどの間にあったいくつかの目立った動きをまとめておく。

Apple、Amazon、Starbucksなどに欧州委員会が圧力

 今回の一連の動きはもっぱら欧州(EU)によるものとの印象が強い。そうした印象が生まれている理由は、次のようなニュースが出ていたから。

 まず9月末に欧州委員会が、AppleやStarbucks、イタリアの自動車メーカーのFiatが欧州域内で行っている節税行為に関し、一部の国の政府が、各企業の現地法人に認めている税制上の優遇策が、EUの法律に違反している疑いがあるとして、実態調査に乗り出すと発表していた。

 具体的には、Appleはアイルランド、Starbucksはオランダ、そしてFiatはルクセンブルクに登記した法人が挙げられていた。その後、10月6日にはAmazonに対するルクセンブルク政府の優遇策についても同様の疑いがあるとする発表がやはりECから出されていた。冒頭に記したアイルランドの対応(に関するニュース)は、こうした動きと関連するものと思われる。

 なお肝心の米国政府からは、特にこれといった発表も出ていないようだ……。連邦議会の中間選挙でそれどころではないといった状況なのかもしれない。

雇用確保と引き替えの「えこひいき」(?)が争点に

 当該各社のやりかた、あるいはそれを認めた各国政府のやり方が法律違反にあたる疑いがあると欧州委員会がみている根拠は、簡単に言うと、そうした優遇策が特定の企業に対する補助金に該当し、それが競合他社に対する競争上の優位性につながっている可能性がある、といったもの。

 また「transfer-pricing」と称される一種のグループ内取引--簡単に言うと利益の付け替えについても言及がある。ダブルアイリッシュが主に関係するのはこちらのほうで、13日付のWSJ記事には例えば、VMwareがアイルランドにある登記した営業子会社から、知財などを管理するもう1つの子会社(VMware Bermuda Ltdという名称だが登記はアイルランド)にライセンス料を支払わせる形を取り、2013年だけで14億3000万ユーロ(約18億ドル)の利益を上げた(支払った法人税はゼロ)とか、あるいはFacebookが同様のやり方で2012年に17億9000万ユーロの売上をアイルランド法人で計上しながら、別の子会社に17億5000万ユーロのライセンス料を支払う形にしたことで、同法人の税引き前損益は62万6000ユーロの赤字になった、といった話が書かれている。

 Appleの場合も同様で、アイルランドに置いた2つの子会社--Apple Sales International(ASI)とApple Operations Europe(AOE)という名称--を使ってかなりの節税をしている様子が改めて伝わってくる。

 9月30日付のWSJ記事には、Appleが2010年から2012年にかけてアイルランドで収めた法人税が年間2000万ユーロ以下だった、という記述がある。いっぽう同日付のNYTimes記事には、ASIの売上が2009年から2011年にかけて415%も増加し、2011年には639億ドルに達したという記述がある(昨年聴聞会があった米上院小委員会の調査結果)。アイルランドの法人税(名目)は12.5%と他の欧州諸国に比べて3分の1~半分程度だが、それよりもAppleの支払った税金がはるかに少ないことは明らかだろう。

 AppleからはこのEC発表に対して「われわれは4000人をアイルランドで雇用している(そのことを誇りに思う)」などといったコメントが出ている。見方によっては「この雇用がなくなってもしらないぞ」と暗に圧力をかけているとも受け取れる。

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