地方銀行の北國銀行(石川県金沢市)はメールや電話などが連携したコミュニケーションツールやシンクライアントなどで構成される新しいシステム基盤を構築した。新システムは11月25日から本格稼働を開始する。NECが11月4日に発表した。
北國銀行は11月の新本店ビルへの移転に伴い、ワークスタイル変革による業務効率化、システム統合化による総所有コスト(TCO)削減、コミュニケーション活性化などを実現する「IT基盤再構築プロジェクト」を進めてきた。
従来はセキュリティの観点からAndroidタブレット、クライアントPC、業務専用端末など複数の端末を銀行内外での利用や業務に応じて使い分ける必要があった。それに対し、1つのタブレット端末でセキュアに業務を遂行できるシステム環境の整備が求められていたという。
新しい基盤は「Windows Server 2012 R2」を中心としたMicrosoft製品を活用して、メール機能や在籍確認、ウェブ会議、インスタントメッセージなどのコミュニケーション機能、シンクライアント機能、運用管理機能などを統合したもので、NEC製x86サーバ「Express5800」シリーズ約37台規模で構築されている。
北國銀行ではシステムを統合することで、高い生産性による業務コストやTCOの削減を見込むとともに、ワークスタイル変革による業務効率化や行員の営業力強化を図り、顧客満足度の一層の向上を目指すとしている。端末、コミュニケーションツール、認証基盤、ネットワーク、セキュリティポリシーなどIT基盤全体を対象としたグランドデザインから設計、構築、運用、保守までをNECが提供している。
全行員が場所や用途を問わず、すべてのタブレット端末からシンクライアントを利用するセキュアなシステム基盤を構築することで、行外でも安心安全に行内と同様の業務遂行を実現できるという。
Express5800上に仮想化環境を構築することで将来的なシステムの強化や拡充にも柔軟に対応できるというシステム基盤を構築した。IT基盤領域の構築実績によるNEC独自のノウハウで約9カ月という短期間でシステムを構築下としている。システム全体を最適化することでシステムの運用管理コストを低減できることから、今後の業務コストとTCO削減を見込んでいる。