米ZDNet編集長Larryの独り言

Facebook、ビジネス向けサービス「Facebook at Work」を開発中か--FT報道

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2014-11-17 15:07

 報道によると、Facebookはビジネスに不可欠なサービスになることを目指して、Google、Microsoft、LinkedInに挑戦しようとしているという。

figure_1

 The Financial Timesが、Facebookが「Facebook at Work」を開発していると報じた。オフィス利用向けのチャット機能、文書コラボレーション機能、ストレージを提供する取り組みだという。過去にもうわさになったことのあるFacebook at Workは、ニュースフィードを表示したFacebookと同じようなデザインになると見られるが、仕事用ページと個人用ページが提供されるだろう。Facebookの取り組みからは、スマートフォンが仕事用と個人用のコンテナに分割されつつあることと似た印象を受ける。

 コラボレーション、ワークフロー、受信トレイを一から作り直すという試みは、さまざまな企業が行っている。Googleは先ごろ、大量の電子メールの処理を目的としたアプリ「Inbox」を公開した。Salesforceは何年も前から、同社版Facebookとも言える「Chatter」を提供している。LinkedInはビジネス向けのサービスだ。さらに、MicrosoftやGoogle、その他多くの企業も、Facebook at Workが提供すると見られる機能を既に提供している。IBMは今週、企業におけるコラボレーションと電子メールを大きく変えるというイベントを開催する。

 Facebookの狙いについては、以下のようなことが考えられる。

  1. Facebookはエンゲージメントレベルを高い状態に維持するため、よりビジネスに不可欠なサービスになる必要がある。
  2. Facebookは今後、若年層のユーザーを失っていく可能性があるため、ビジネスユーザーのエンゲージメントは極めて重要になる。
  3. Facebookは法人市場で大きな利益を得られる可能性がある。ビジネス向けバージョンの公開によって、企業がFacebookの使用を解禁するだけでも、相当な利益を見込めるだろう。
  4. Facebookは既に膨大な量の個人データを保持している。仕事面でユーザー同士をつなげていくことができれば、LinkedInの事業を侵食し、人事部門の幹部の関心を引き、広告料金を上げることができるかもしれない。

 こうしたことを考えれば、Facebookがビジネス用のバージョンを開発するのは当然のことに思える。Facebookが、「もう新しいツールはいらない」というユーザーを振り向かせるために、十分な対策を打てるかどうかは不明だ。

 皆さんはFacebook at Workを試してみたいと思うだろうか。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]