Surface Proと独自開発システムで営農指導を効率化--JAたいせつ

NO BUDGET 2014年11月18日 10時49分

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 たいせつ農業協同組合(JAたいせつ)は、営農指導などに使うシステムを独自開発、端末としてWindows 8.1搭載タブレットPCを採用し、畑での営農指導などの業務効率を大幅に改善した。

 JAたいせつは上川地方の中心部に位置し、水稲生産農家340戸、水稲作付面積3500町(1町=約0.9917ha)と道内有数の規模を誇る「北海道の3大米生産地」の1つ。

 消費者から選ばれる米作りのため、農産物の品質を高め、安全、安心を提供する取り組みとして、JAグループが2002年7月から実施している「生産履歴記帳」や、農林水産省が2010年4月に野菜、米、麦を対象に最初のガイドラインを策定したGAP(Good Agricultural Practice:農業生産工程管理)を積極的に実践、GIS(Geographic Information System:地理情報システム)による農用地情報の管理にも取り組んでいる。

 この生産履歴の記帳やGAPの登録はOCRで行われていたが、生産農家にとっては大きな手間となっていた。一方、JAたいせつは「出向く農協」を目指し、2012年に独自アプリとして「農薬希釈計算機」を開発するなど、早くからスマートデバイスを積極的に活用してきている。


ノート PC とタブレットの二面性を備えた Windows タブレットで、全局面を効率化

 今回は約3年の構想期間を経て、精算履歴やGAP関連の作業を効率化すべく、新たに「Microsoft Surface Proシリーズ」を採用し、独自に開発したWindowsストアアプリを活用するシステムを構築することにした。Surfaceについては、タブレットとしてもノートPCとしても使える二面性と、Windows 8.1で画面2分割に対応し「生産履歴を確認しながら耕地図システムを操作する」といった利便性などが採用のポイントという。

 一方のアプリは、「生産履歴」「GAP」、GISを活用した「耕地図システム」を統合したシステムとなっている。ネクシス光洋が上川地方の1市6町の農業関係機関が参加する協議会に提供しているネットワーク型のGISをベースとして、ネクシス光洋とJAたいせつ営農部および総務部が協力して開発。

 さらにアプリケーションの効果を最大限に引き出すためにタッチ操作に適したUIを実現し、高齢化の進む生産農家にも受け入れられるよう、開発の最終段階でソフトウェアのデザインなどを得意とするマーベリックにUIのリファインを依頼、大幅なデザイン変更を行っている。約1年半で開発を完了し、2014年の収穫期から無事にサービスインした。


従来3~4カ月を要していた OCR のデータ化をわずか 1 週間で完了

 新たなシステムでは、データの入力を完全に電子化することで労力が大幅に軽減され、これまで3~4カ月を要していた生産履歴のデータ化が、わずか1週間程度で完了するようになったという。また、データ化完了までにかかる費用を、大幅に削減された。

 生産履歴などのデータは全てクラウド上に保存され、データの喪失や破損などの心配も軽減されている。また、アプリ画面を見せながら入力できるため、農業に関する専門知識が浅い若手職員でも生産履歴のヒアリングが可能になった。

 そしてJAたいせつでは、GISシステムと生産履歴のデータを蓄積し、連携することで、より効率的な営農指導へつなげていこうとしている。10月時点では完了していないが、今後は生産履歴とGISを連携させた「耕地図システム」を実装し、長期的な農地運用の効率化を目指すとのこと。

 JAたいせつ代表理事組合長・上川生産農業協同組合連合会 代表理事会長の柿林孝志氏は、以下のようにコメントしている。

 「農業も今は競争ですから、消費者から選ばれる米を作り続けなくてはいけません。それも、地域全体で選ばれ続けることが重要です。今回開発したアプリケーションによって、生産履歴のデータ化が高速化されると、今度は製品出荷時の消費者へのメッセージとしても応用できるかもしれません。また、耕地図システムによって、品質向上のための作業を効率化できます」

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