「モックアップではないのか」:ノートPC「LaVie Z」次期モデルの意外性

大河原克行

2015-01-10 08:00

 NECパーソナルコンピュータは、米ラスベガスで開催された見本市「2015 International CES」で13.3型ノートPCとして世界最軽量という「LaVie Z」の次期モデルを参考展示した。

 2012年7月発表した第1号機は約875g、2013年10月発表の現行モデルでは約795gと圧倒的な軽さを実現したが、次期製品では約779gを達成。世界最軽量をさらに更新する軽さとなった。ディスプレイが360度回転し、タブレット形状でも利用できる“2in1”タイプの製品も用意。13.3型の2in1としては、世界最軽量となる約926gの軽さを達成した。

 次期LaVie Zは、Lenovoブースの一番奥に同じくLenovoグループの独MEDIONブランドのPCとともに展示されていたが、来場者は、LaVie Zを手にするとその軽さに驚きの声を上げるということが繰り返されていた。「モックアップではないのか」と疑問の声を投げかける来場者もいたほどだ。

 いずれも2015年春の商品化を予定。米国市場にも投入されることになる。

 展示されていたクラムシェル型のLaVie Zは、第5世代のCorei5を搭載。13.3型ワイドのWQHD(2560×1440ドット)IGZO液晶を搭載。4Gバイトのメモリ、約128Gバイトのストレージ、約5.9時間のバッテリ駆動時間を実現している。同社によると、発売時にはメモリは4Gバイトになる見込みだ。タッチパネルは搭載していない。

 2in1タイプは、第5世代のCore i7を搭載。仕様は基本的に同じで、バッテリ駆動時間は約9.0時間となっている。こちらはタブレット形状でも利用が可能であり、タッチ操作が可能だ。

 いずれのモデルも、商品化の際にはNEC Directを通じて512GバイトのSSDなどのオプションを選択できるという。

 今回、さらなる軽量化を実現した背景には、これまで裏面だけに採用していたマグネシウムリチウム合金を初めて天板にも採用したことが大きい。マグネシウムリチウム合金には加工が難しいという課題があったため、形状が複雑に天板への採用は見送られていたが、これを解決。両面を軽量化に特徴を持つマグネシウムリチウム合金で挟み込むことでさらに軽くすることに成功した。タッチパネルの素材もガラスからフィルムへと変更している。

 そして、軽量化への徹底したこだわりは随所に見られている。

 たとえば、2in1タイプでは、360度回転する仕組みとしているため、Lenovoが投入するYOGAシリーズで実現しているような「テントモード」での利用も可能な構造だといえる。だが、LaVie Zでは、テントモードにした場合には画面の上下方向が回転せず、事実上はテントモードでの利用はできないようにしている。

 実はテントモードで利用するために、YOGAシリーズでは、机などに当たる下部にゴムを配置している。これによってテントモード利用時の安定性や衝撃緩和を実現している。だが、LaVie Zは軽量化を最優先するため、重量増の要因となるゴムの採用を見送り、これによって、テントモードでの利用を封印したのだ。これも軽量化へのこだわりの一端だ。

 日本での発売が待たれるところだ。

新フォームファクターの「Frista」

 一方、NECパーソナルコンピュータでは、同じくCESの会場で新たなフォームファクターのPCとして「Frista」と呼ばれる製品を参考展示した。展示されていたのは、Celeronを搭載したモデルと、第5世代のCore i7搭載の2モデルで、いずれも型番は「NEC LaVie 15」となっていた。

 15.6型のIPS液晶を採用。本体下部に収納が可能なワイヤレスキーボードを採用。Core i7搭載モデルではブルーレイディスクドライブを内蔵し、Celeron搭載モデルではDVDドライブを内蔵している。

 関係者によると、日本の家庭でのリビングでの新たな利用提案を行える製品と位置付けており、内蔵したバッテリを生かして、家の中を自由に持ち運んだり、ノートPCのように画面を閉じることなく、常に設置した状態ですぐに利用できるデザインになっているという。ノートPCに比べても設置面積が小さいことも、常設する提案では大きな特徴のひとつとなる。発売日は未定だというが、かなり高い完成度となっていることから、それほど遠くない時期に発売されることになるだろう。

 Lenovoブースには、シリーズの累計1億台目に生産した、最新モデルである「ThinkPad X1 Carbon」、買収したMotorolaブランドによるスマートフォンや腕時計型ウェアラブルデバイス、モバイルバッテリやスピーカーなどの周辺機器を組み合わせて持ち運べる「ThinkPad Stick」なども展示されていた。

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