「Windows 10」を、過去の「Windows」バージョンで用いたのと同じ基準で評価したい衝動に駆られることがある。過去の基準で言えば、1月のテクニカルプレビュー(ビルド9926)は詳細なレビューと数十枚のスクリーンショットに値する大きなマイルストーンと言えるだろう。そして、次のテクニカルプレビューが公開されるのは何カ月も先ということになる。
だが、時代は変わった。2週間前のプレビューリリースは確かに重要なものだったが、数カ月後ではなく数週間後には、同様に重要な次のリリースが公開される。その後も数カ月にわたって次々にリリースが公開され、アップデートのたびに、プレビューテスター向けに新しい「機能のペイロード」が提供されるだろう。
しかし、1月のテクニカルプレビューで最も特筆すべき点は、同OSがひどく不完全なことだ。目玉機能のいくつかはプレースホルダーも同然である。「Cortana」はすぐに混乱するし、新しい「Start」メニューのカスタマイズ性は必要な水準にはほど遠い。重要なアプリである「Mail」と「Music」は行方不明で、新しい「Photos」はいくつかの主要機能を欠いている。
しかし、これは予想通りの展開である。Windows 10開発プロセスの最大の目的は、これまでより透明性を大幅に高めて、進行中の作業を共有し、フィードバックを迅速に改訂版に組み込むことだ。それは、厳密に言えばアジャイル開発ではないが、おそらく可能な限りアジャイルに近いWindowsの開発手法だろう。
この1週間、筆者はデスクトップやノートPC、ハイブリッドデバイス、タブレット、数台の仮想PCなど、約10台のデバイスにWindows 10をインストールした。クリーンインストールだけでなく、「Windows 7」や「Windows 8」からのアップグレードも行った。
そして、それは概ね良好な体験だった。いくら好意的に見ても決して完璧ではないが、荒削りな点やバグを見つけることが、こうした未完成のWindows 10ビルドを200万人近いユーザーに提供することの目的なのである。
もちろん正式なレビューを行うには時期尚早だが、筆者が感じた第一印象のいくつかは伝えられる。
視覚デザインは控えめで心地よい
近頃、われわれの使用するほぼすべてのデジタル製品がフラットデザインを採用しているので、Windows 8に関してかつて印象的だったことも今では普通に思える。Windows 10では、Windows 8の派手すぎた部分が抑制されているが、「File Explorer」で新たに採用された明るい黄色とオレンジ色のアイコンは、もう少し磨き上げる必要があるかもしれない。
タスクバーのアイコンを32×32ピクセルから24×24ピクセルに縮小するという決定は、的外れに思える。特に高解像度スクリーンでは、それらのアイコンは小さすぎて簡単には識別できない。少なくとも、それらの小さすぎるボタンを以前のサイズに戻すことのできるオプションを用意してほしい。アイコンのサイズを拡大できるオプションを追加してもらえると、なお嬉しい。
ナビゲーションが合理的になってきた
Windows 8の特徴だった画面の隅を利用するナビゲーションが廃止されたのは、歓迎すべきことだ。Windows 8の最初のナビゲーション体系(マウスを隅まで動かして、何かが表示されるのを待つ)が大嫌いだったのは筆者だけではない。「OS X」の「ホットコーナー」機能も同様に苦手で、筆者が新しい「Mac」で最初に無効にする機能の1つだ。