好調だったのは、ワールドワイドでユーザーが多い金融分野、さらに流通やサービス、通信、ライフサイエンス、製造業などの業種。さらにマーケティングオートメーション関連のニーズが堅調だったことを受け、分析系の顧客関係管理(CRM)「SAS Customer Intelligence」ソリューションが大きく成長。さらにデータ分析ソフトウェア「SAS Visual Analytics」のデータディスカバリー市場での浸透、SAS On Hadoopの早期導入顧客獲得、不正防止ソリューションへの強い需要などを要因としてあげている。
北川氏は、「SASというと統計解析というイメージを持たれている方が現在でも多いと思うが、プロダクトポートフォリオは大きく広がっている。現在では提供する製品、ソリューションの一部が統計となっている」と現在のSASのビジネス分野が大きく広がっていると強調。
特にAnalyticsがIoTの台頭によって大きく拡大していることなどを背景として、活用領域が増えていることを挙げ、
「Analyticsは日本語にするとデータ分析と訳されることが多いが、実はそれは正確ではない。Analyticsの語源であるギリシャ語が意味するのは、結び目をすっかりほどくこと。つまり、Analyticsは分析することで終了ではなく、分析によって問題解決することを意味する。それを具現化する製品、ソリューションを提供することができるのが当社の強み」とアピールした。
2015年に注力する製品、ソリューションとしては、(1)マーケティングオートメーションとリアルタイム意思決定を統合し、インバウンド、アウトバウンドのオムニチャンネル対応を実現した「Customer Discussion Hub」、(2)不正検知ソリューション、(3)データビジュアライゼーション、データディスカバリ、(4)SAS on Hadoop、(5)データマネジメント、(6)Analytics基盤の近代化の6つのエリア。
また、「2014年は他のビジネスが伸張していたため、リソースを割くことができずに大きくビジネスを伸ばすことができなかった」というクラウドについては改めて事業体制を強化し、クラウドからAnalyticsを提供するエンタープライズホスティング、リモート管理サービス、SaaSなどの提供も計画している。
アナリティクスができる人材が不足していることに合わせ、グローバルでSASが実施している大学とのパートナーシップ「SAS Analytics U」を日本でも提供する。このプログラムでは、無償でSASのソフトウェアと低価格な包括的ライセンスを提供し、さらに無償のeラーニングコースとチュートリアルを提供していく。
また、10月3日には日本法人が30周年を迎えることから、「全社員が新しいチャレンジに取り組むことができるよう、事業を強化していく」(北川氏)と社内体制の充実も強化の1つだとしている。