IDC Japanは1月6日、国内主要ビジネスアナリティクス(BA)ソフトウェアベンダーの競争力分析結果を発表した。2013年の国内BAソフトウェア市場は前年比7.7%増の1621億1600万円と規模を拡大した。
国内BAソフトウェア市場は、データウェアハウス(DWH)管理基盤、ビジネスインテリジェンス(BI)/分析ツール、パフォーマンス管理/アナリティクスアプリケーション、位置/空間情報分析ツール、コンテンツ分析ツールの5種類が含まれている。
このうち、データ蓄積に関係するDWH管理基盤が同市場の39.8%を占め、蓄積データを活用するためのBI/分析ツールが28.9%、パフォーマンス管理/アナリティクスアプリケーションが25.4%と、これら3種類の中分類市場で同市場の94.1%を構成している。そのため、これらの市場の売上規模が大きいベンダーがBAソフトウェア市場の主要ベンダーになる。
2013年の市場シェア上位をみると、首位がオラクル(シェア24.1%)、2位がSAP(同14.0%)、3位がIBM(同11.1%)、4位がマイクロソフト(同9.2%)、5位がSAS(同6.0%)となっている。IDCでは、上位5社による占有率に大きな変化はないとみている。
BA市場は今後、企業の関心が高まっていることや新たな技術や製品で用途が拡大することが期待できることから、2013~2018年の年平均成長率(CAGR)7.0%で推移し、2018年には2272億7900万円に達すると予測している。企業の事業部門での利用も増加していることから、特にBI/分析ツールのCAGRが8.5%で推移するほか、位置/空間情報分析ツールもCAGRが9.1%で成長するものと予測している。
BAに興味はあるが導入に至らない企業や取り組んでいるが新たな事業やイノベーション創出につながるような高度な分析に苦慮している企業の実態も見受けられる。同社ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストのもたい洋子氏は、今後の市場拡大に向けて以下のようにコメントしている。
「第3のプラットフォームへシステムの変化を促すため、顧客企業の業務内容とその課題を見つけること、そこから段階的に顧客の業務改革を実現する中長期的なBAを提案し、国内企業での導入率を向上させるために多様な活用事例を日本語化されたツールで提供することが重要」

2012年と2013年の国内BAソフトウェア市場の上位5社の売上金額、シェア、前年比成長率(IDC Japan提供)