米Treasure Dataとアットマークテクノ(札幌市)は3月5日、“モノのインターネット(Internet of Things:IoT)”事業での協業を開始したと発表した。
組込系機器を開発するアットマークテクノのIoTゲートウェイ基盤「Armadillo-IoT」のデータ分析基盤として「Treasure Data Service」が採用される。センサの接続からクラウド上でのデータ分析までが容易になるというIoT環境を提供する。
Armadillo-IoTは、各種機器やセンサとインターネットの接続を仲介するゲートウェイを中心に、IoTの構築を支える組込基盤。Armadillo-IoTとTreasure Data Serviceを組み合わせることで、工作機械や事務機器、各種ビーコンなどのセンサデータをクラウド上で収集、保管し、各種のデータから短期間かつ経済的に新しい価値を生み出せるという。
Armadillo-IoTは、JBグループのJBアドバンスト・テクノロジー(JBAT)がすでに先行的に採用している。JBATは、グループ企業でIT環境のサポートを提供するJBサービス(JBS)と連携し、3Dプリンタの稼働状況をモニタリングし故障の予兆を分析してメンテナンスのタイミングを計るサービスを提供している。
JBSでは、IoT基盤でモニタリングすることで稼働状況のログを可視化し、これまで現場に到着してから確認していた情報を訪問前に把握することで作業の効率化を実現したと説明。将来的には、障害予兆を検知し、造形不良や機器故障が起こる前に予防保守が実現されることが期待されている。

JBアドバンスト・テクノロジーのモニタリングサービス概要図(トレジャーデータ提供)
Armadillo-IoTはPaaS/SaaS「Salesforce1 Platform」にも対応している。セールスフォース・ドットコムは、Treasure Dataとアットマークテクノの協業でSalesforce1 Platformのユーザー企業でも、センサから生成されるデータを分析する先進的な事例が拡大するものと期待しているとしている。