Salesforceが投資銀行とともに売却の可能性を検討しているとBloombergが報じた。記事によると、Salesforceは1社から買収の可能性について接触を受けたとのことだ。
Salesforceの買収が現実のものになるか確証はないとBloombergは記している。買収元がどこになっても、Salesforceの吸収は簡単なことではないからだというのがその理由の1つだ。
買収のうわさにより同社の株価は上昇し、本稿執筆時点で、時価総額は470億ドル近くに達していた。買収が実現すれば、過去最大規模のソフトウェア企業の買収となる可能性が高い。
以下に、考えられる売却先企業をリストアップした。
- Oracle(時価総額1950億ドル)
- IBM(時価総額1722億ドル)
- Microsoft(時価総額4030億ドル)
- Amazon(時価総額2000億ドル)
- Cisco Systems(時価総額1480億ドル)
- Google(時価総額3748億ドル)
- Apple(時価総額7508億ドル)
SalesforceはOracleのパートナーであり、共同顧客も多い。Oracleはクラウド戦略を強化しており、Salesforceの最高経営責任者(CEO)Marc Benioff氏とOracleのLarry Ellison氏は完全なる対立関係というわけではない。OracleとSalesforceの組み合わせはうまくいく可能性がある。
SalesforceとIBMの相性はよく、クラウドアプリケーション統合のサービス、IBMの「SoftLayer」と「Bluemix」のクラウドスタックを持つ。Salesforceの買収は一部のパートナーとの関係に影響する可能性があるが、Salesforceはクラウドの青写真を得られる。IBMにとってSalesforceの買収はかなりの高額となるが不可能ではない。
Nokia、それにaQuantiveを買収したのだ。Salesforceを買収してもおかしくない。それに、CEOのSatya Nadella氏は、Benioff氏に任せるかもしれない。Microsoftは最大のクラウドプレイヤーを目指している。
Amazon Web Servicesは大きな存在で、Salesforceも然りだ。Salesforceを吸収すれば、AWSはほとんど完璧といってよいクラウドスタックを構築できる。
新しいトレンドに乗るのが上手なCiscoにとって、SalesforceはITベンダートップに君臨する道筋を示すものとなるだろう。
エンタープライズベンダーを目指すなら、Salesforceの買収はその戦略を軌道にのせるものになるだろう。一方で、Googleがエンタープライズ分野にどのぐらい投資したいのかは不明だ。
AppleがSalesforceを買収するというのは驚きのシナリオだが、CEOのTim Cook氏がエンタープライズ分野を強化していることは明確だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。