エンタープライズ向けハードウェアのベンダーが競争の激しいコンバージドインフラ市場で優位に立とうとしのぎを削る状況が続いている。
2015年第1四半期の統合インフラおよび統合プラットフォームに関するIDCのレポート「Worldwide Quarterly Integrated Infrastructure and Platforms Tracker」によると、同分野の世界的な売上高は前年同期比8.3%増の21億ドルに達したという。
IDCのアナリストであるKevin Permenter氏は、統合インフラシステムのベンダーは極めて激しい競争に直面しているだけでなく、絶え間なく変化する市場環境にさらされていると述べ、「主な競合企業は大規模な組織再編や、リブランディング、組織改編を実施している。その目的はいずれも、データセンターインフラ市場で最も成長が速いセグメントの1つで戦略的に優位な位置に立つことだ」と指摘した。
IDCは統合システム市場を2つのセグメントに分割し、統合プラットフォームと統合インフラとして個別に成長指標を提供している。
IDCは統合プラットフォームというセグメントを、アプリケーションやデータベース、統合ツールといったソフトウェアをあらかじめパッケージ化して販売されるシステムに関するものと定義している。同セグメントではOracleとIBMがそれぞれ1位と2位に付けており、Oracleは他社を大きく引き離してトップの座に君臨している。
またIDCは統合インフラというセグメントを、複数のワークロードを処理するために開発された、さまざまなパフォーマンスプロフィールを持つコンピュートやストレージ、ネットワーキング向けの統合型ビルディングブロックに対応した汎用目的のシステムと定義している。
インフラの売上高はプラットフォームより急速に成長している。この分野は、四半期の売上高が13億ドルで、前年同期比で15%以上増加した。インフラベンダーの中でVCEが首位となり、Cisco/NetAppとHPが続いた。
EMCは先頃、Ciscoが保有していたVCE株式の大半を買い取り、VCEを傘下に収めた。しかしCiscoは「ユニファイドコンピューティングシステム」を有しており、NetAppやEMCとストレージで連携して堅実な収益を得ている。
IDCの統計によると、上位3社がこの分野の成長の大部分を占めており、「その他すべて」は市場シェアを失っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。