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営業利益率7%超え狙う日立、情報・通信システムはIoTなどサービス事業を拡大

大河原克行

2015-06-11 13:47

 日立製作所は6月11日、証券アナスリトなどを対象にした「Hitachi IR Day 2015」を開催。執行役員副社長で情報・通信システムグループ長 情報・通信システム社 社長の齊藤裕氏が2015年度の情報・通信システム事業の戦略を説明した。

 齊藤氏は、「国内ITサービス市場は回復基調にあるものの、IT市場の成長が鈍化し、グローバル競争の激化がみられている。ITハードベンダーのパラダイムシフトが必須であり、事業をもう一度組み立て直す時代に入っている」としながら、「事業ポートフ ォリオ変革の完遂による成長の継続、収益力を兼ね備えたビジネスモデル確立と着実な利益創出に取り組む」と説明した。

 2015年度業績(米国会計基準)は売上高で2兆1000億円、海外売上高比率で36%、営業利益で1400億円、営業利益率6.7%、EBITマージンで6.3%を目指すことを明らかにした。

齊藤裕氏
日立製作所 執行役員副社長 情報・通信システムグループ長 情報・通信システム社 社長 齊藤裕氏

 2014年6月に発表した見通しから売上高の2兆1000億円には変更がないものの、営業利益は600億円減、EBITマージンは580億円減とした。通信ネットワーク事業での国内通信事業者向け売り上げの減少、国内のサーバやソフトウェアなどのプラットフォーム製品の需要減少、社会システム分野でのプロジェクト収支改善の遅れ、ビッグデータ利活用などでの社会イノベーション事業投資の増加を理由に挙げた。

 「増収増益だが目標通りに行っていない。利益を創出できるコスト構造への転換が遅れた結果、2015年度の計画を見直した。サービス売上高は着実に拡大し、社会イノベーション事業でもさまざまに投資している。サービス事業の強化に向けてPentahoを買収することで、ビッグデータ利活用を提案するなどの成果があったものの、通信ネットワーク事業の見通しが甘く、抜本的対策に遅れが出た。海外売上高は現地通貨ベースで横ばいであり、さらなる強化が必要。グローバル水準の収益性実現に課題がある。売上高は伸張したが、事業環境や市況変化への対応遅れの反省を踏まえ、2015年度には構造改革を実行する」

 また、「基盤領域は縮小しながらも成長領域で事業を拡大。それに向けてグローバルフォーメーションの再編、コスト構造改革の断行に取り組む」とした。

クラウドはサービスインテグレーション事業

 社会イノベーション事業では、「ビッグデータ利活用やIoTを核としたサービス事業拡大」「営業キャッシュフロー極大化により投資財源確保、注力分野への重点投資継続」「北米新体制を核とした社会イノベーション事業の拡大」の3点を挙げた。

 「2015年4月に共生自律分散推進本部を設置し、制御を含めたプラットフォーム事業を推進することで、社会イノベーション事業推進本部体制を強化。日立グループ横断組織でノウハウを蓄積、活用できる体制を構築した。スマート情報システム統括本部を強化し、全社との連携やヘルスケアなどの注力分野への対応を拡大。IoTプラットフォーム専任組織の設置などで制御部門と連携し、通信ネットワークの技術力を生かしたIoT対応強化、IT×インフラの強みを生かしたソリューションの提供、顧客との協創を推進していく」

 上流コンサルティング、ITサービス、アナリティクス技術やノウハウ獲得などに取り組むとし、齋藤氏は「フロント機能では営業とコンサルティングの体制強化を図る。業種コンサルティングのClerantを買収。ビッグデータ分析やBI(ビジネスインテリジェンス)によるナレッジ活用で上流コンサルティングを強化。新興国でのITサービス強化のほか、SAPクラウドサービスやマネージドサービスのoXyaの買収、東京電力とともに立ち上げた日立システムズパワーサービスによる業界向けクラウドサービスを提供できる体制を整えた。2015年度は社会イノベーション事業拡大に向けた重点投資の実行、買収会社を活用した事業拡大と日立グループ全体で活用拡大に取り組むことでリターンの最大化を図る」と語った。

 2013~2015年度の社会イノベーション事業への投資累計額は2200億円を想定している。

 北米市場では、日立データシステムズ、日立コンサルティングの関連組織を集約した社会イノベーションユニットを4月に新設。Pentahoのデータ統合、分析、可視化技術を活用したビッグデータ利活用基盤の強化に取り組んだほか、グローバルでのサービス事業展開強化に取り組む姿勢を示した。

 「クラウドの動きは米国で進展しており、その点でも北米に社会イノベーションユニットを設置した。クラウドはサービスインテグレーションの事業だ。さまざまなものを扱いながら、最適なものを提案できる体制を整える」

 現在、日立データシステムズは世界140カ国以上で展開し、約6800人の従業員を有しており、日立コンサルティングは世界26カ国に展開し、約6500人の従業員を持つという。「1万3000人を活用し、さらに人財ポートフォリオを変えながら、グローバルでの社会イノベーションの拡大を図る」

 システムソリューション事業に関しては、「フロント体制の強化による大型SI案件の完遂と新規案件の獲得」「高収益型サービス事業の拡大」に取り組む。

 フロント体制の強化では、日立ソリューションズの再編によるリソースの集約、一体運営で金融、公共、社会分野を中心に約4000人、インフラシステム社の電力・交通分野、情報システム事業の管掌変更により約500人をあわせた合計約4500人規模で体制強化を図り、柔軟な人財活用を行うほか、メガバンクや地銀などの金融分野で大規模システム対応、年金一元化やマイナンバー制度対応などの公共分野の大型SI案件への対応、電力自由化案件などの社会分野への対応強化を図るという。

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