IBMは、NVIDIA、米エネルギー省と共同で、スーパーコンピュータの先端研究拠点(COE)を米国の2カ所に開設する。この取り組みの主眼は、アプリケーションがスーパーコンピュータの処理能力を活用できるようにし、開発者やエンジニア、科学者からフィードバックを収集することだ。
エネルギー省のオークリッジ国立研究所とローレンスリバモア国立研究所に設置されるセンターは、スーパーコンピューティングの発展とコードイノベーションの開発に注力する。
ドイツのフランクフルトで開催中の「International Supercomputing Conference」で概要が発表された今回のパートナーシップの下、IBMが主導する「OpenPOWER」プロジェクト、NVIDIA、Mellanoxの技術が導入される。IBMは既にエネルギー省とスーパーコンピューティングに関する契約を結んでおり、2018年の稼働開始に向けて2台のスーパーコンピュータシステムを配備する。
このIBMとNVIDIAの提携とほぼ同時に、Hewlett-Packard(HP)とIntelが提携を発表している。両陣営の目標は同じだ。具体的には、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)のワークロードやシステムをより多くの企業に普及させ、スーパーコンピューティング環境を利用して、さまざまな可能性を提示することだ。IBMは「POWER Acceleration and Design Center」をフランスのモンペリエに開設し、先頃、「SuperVessel」サービスを発表した。
IBMによると、新しいHPCセンターは、エネルギー省の2台のスーパーコンピュータシステム(名称は「Sierra」と「Summit」)の配備に先立って、エネルギーや気候、生物物理学、医学といった分野の研究の最適化も行うという。
IBMとNVIDIAのスーパーコンピューティングセンターには、アプリケーションの対応、ハードウェアエンジニアとアプリケーション開発者のコラボレーション、IBMのPOWERプロセッサとNVIDIAのGPUやインターコネクトを取り入れた設計を実現する技術なども組み込まれる。両センターのチームはプログラミングモデル、アルゴリズム、アプリケーション、計算性能に注力する。
配備されるスーパーコンピューティングシステムは、NVIDIAとMellanoxの技術も活用したOpenPOWERの設計思想に沿うものとなる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。