ここまでは、各社がインドネシアの消費者にどのように顧客にアプローチしているのかをみてきた。
消費者の新たなニーズをとらえた商品を開発することももちろん重要で、特に昨今の消費財において海外製品をそのまま持ってきて現地の生活習慣を考慮せずに販売に至ること自体が少ないとは思う。
しかし、インドネシアにおいては、むしろその後のプロモーションや物流全体をコントロールすることのほうが重要であり、顧客に商品を届ける体制を整えられなければ成功することは難しい。
特に伝統小売の比重が大きいというのは、インドネシアだけでなく、インドやベトナム、フィリピンといった国々でも同じであり、消費者側の需要を創出しながら伝統小売市場における販売ネットワークを築いて売り上げを伸ばすアプローチの有用性は同様だ。
- 高澤まなか アクセンチュア株式会社 戦略コンサルティング本部 シニア・マネジャー
- 小売り・消費財業界を中心に、新規事業戦略、マーケティング戦略立案及び実行支援等のコンサルティングプロジェクトに従事。現在は、ジャカルタを拠点に、インドネシアを中心としたASEANに進出する企業の支援を行っている。