スマートマシンによる産業と雇用の変革
年ごとの変化予測を参考にしつつ、これまでの記事を振り返ってみたい。
調査会社のGartnerなどの予測では、破壊的なデジタルビジネスが登場し、プロセスワーカーは大幅に削減し、デジタルビジネス業務は500%という飛躍的な増加を予測している。また、スマートマシンの登場により業務のコスト30%の削減し、スマートマシンに職を奪われるという可能性についても指摘している。
「スマートマシンの台頭が雇用とビジネスに与えるインパクト」では、人工知能が生み出す新たなビジネス領域について、解説をしてきた。すでに、シリコンバレーでは、機械学習や画像認識など多くのスタートアップが登場してきており、プラットフォームの覇権争いが加速している。

「労働力不足を補うロボットとAI--知的労働の自動化と超高齢社会」では、テクノロジの進展に伴い生産性が伸びても雇用は伸びない「グレートデカップリング」化の動きや、デジタルビジネス環境の進展により、人間の労働が介在しないで完結するといったケースなどをとりあげ、雇用動態とビジネスプロセスは大きく変化していく可能性について、まとめた。
日本は超高齢化社会を迎え、テクノロジに置き換えられずに人間にしかできない自分自身の強みとなるスキルを高める必要がある。創造的な仕事を生み出し、労働そのものの質を変化させていくことがさらに求められる時代になっている。
「『学習するマシン』は人間の能力を超えるのか」では、将棋電王戦でのコンピュータと人間との対戦や、2021年度には東京大学の入試に突破することを目標にした人工知能「東ロボくん」の事例などを紹介した。
人間は、学習するマシンと調和し、知識を拡張した知的労働者として、データによる過去の歴史や日々蓄積される情報から企業や社会が発展するための法則性を学び、その法則や市場変化に応じて柔軟に判断し実行していくことが、求められている。