CortanaやBingの統合
Cortanaを活用するにはかなりの量のデータが必要となる。Microsoftはプライバシーに関する説明で、「デバイスの位置情報や、スケジュールとして登録されたデータ、使用しているアプリ、電子メールやテキストメッセージのデータ、誰に電話をかけたか、連絡先、デバイスを使ってどの程度頻繁に連絡先とやり取りしているのかといったさまざまなタイプのデータを収集、使用する」と記している。これはライバル企業のサービスが採用しているやりかたと大きく異なってはいないものの、こういったデータの取得は今までモバイル機器に限られていた。
このようなデータの収集についてMicrosoftの広報担当者は、「Microsoftは統制と、顧客の選択を尊重している。Cortanaを無効化すれば、情報がCortanaに流れていくことはない。しかし、顧客が他の機能をオプトインしている場合には、同じ、あるいは類似の情報の一部が流れていく可能性はある(例えば顧客が「Bing Maps」を使用する場合、位置情報が送信される)」と語っている。
Bingの機能がタスクバーに統合されたことで、「Windows Update」で提供された「Bing Desktop」ソフトウェアを削除したいというユーザーの声もある。「Firefox」や「Internet Explorer」のようにデフォルトの検索プロバイダーを変更する方法は用意されていないが、Bingは無効化できるようになっている。Microsoftの広報担当者は、「Windows検索ボックスでBing検索の結果を受け取りたくない場合、設定画面で「オンライン検索」を無効化すればよい。これによりBingが検索クエリを受け取ったり、ウェブからの検索結果を返さないようになる」と述べている。
また、同社がBing検索の利用状況やユーザーの行動に関するデータをマイニングする目的で、アナリティクスを手がける新興企業Interanaと提携したことにも注目しておきたい。
OneDriveのセキュリティとMicrosoftのアカウントにまつわる懸念
他のクラウドストレージベンダーが提供するサービスと比較すると、OneDriveはホームユーザーに対しては保管データの暗号化機能を提供していない。なお、OneDriveのサポートはWindowsからアンインストールできないが、グループポリシーエディタからの無効化は可能だ。
Microsoftは裸が写った画像の保管を許しておらず、このポリシーに違反した場合、Microsoftアカウントが停止される可能性があり、伝えられるところによると、該当データを公開していない場合であっても過去にそうした対応が取られたという。Microsoftは同社のサービス規約で、「本サービス全体を監視することはできず、これを試みることもありません」と記している。しかし、OneDriveアカウントに保持されているコンテンツは「PhotoDNA」の調査対象となっている。
Microsoftアカウントが停止されると、ユーザーはOneDriveに格納したデータや、「Outlook」メールへのアクセスができなくなるとともに、Windows Storeから「Office 365」をはじめとするソフトウェアのサブスクリプションや購入ができなくなる。
なお同社の広報担当者は、Microsoftアカウントが停止された場合、アップデートや過去に購入したコンテンツへのアクセスがどうなるのかという質問に対し、「Windows 10を使ううえでMicrosoftアカウントを所持している必要はない。Microsoftアカウントの停止によってWindows 10に対するアップデートが受け取れなくなることはない。アップデートはWindows Updateを通じて実施され、このサービスはMicrosoftアカウントと関連付けられていない」と答えている。