多くの営業部門のプロフェッショナルにとって、Salesforce.comは仕事を片付けるための重要なツールだ。一部の人にとっては、これが自分の仕事を定義づけるプラットフォームになっている。
では、営業活動にもっともよく使われているCRMのユーザー体験が、まったく違うものに変わったら何が起こるだろうか?それが今回起ころうとしていることだ。
Salesforceは米国時間8月25日、Salesforce.comのデザインと体験を完全に一新した「Lightning Experience」と、「Lightning Design System」を発表した。同社はDreamforce 2014でも、「Lightning App Builder」と「Lightning Components」(どちらも2015年7月に提供が開始されている)を発表している。
このLightning Experienceは「Salesforce1」プラットフォーム上に構築されており、15万を超える顧客から得たフィードバックや意見を反映している。リニューアルを求める声は以前からあったが、IDCのアソシエイトバイスプレジデントであるBo Lykkegaard氏によれば、それがとりわけ重要になったのは、Salesforceがモバイルへの対応を始めてからだという。
「Lightningでは、モバイルアプリケーションやレスポンシブデザイン(これは、使用しているデバイスに応じて自動的にデザインを変えるアプリケーションを意味している)に合ったUIフレームワークを提供する。Lightningのアプリケーションは、クライアントサイド向けのよりリッチなコンポーネントを持ち、より新しく、幅広い種類の視覚化手法を利用できる」と、Lykkegaard氏は述べている。
今回のアップデートには、25件の新機能や変更が含まれている。ここでは、ビジネスに大きな影響を与える4つのアップデート内容を紹介しよう。
新しいホーム画面
提供:Salesforce
ユーザーが最初に気づくのは、新しくなったホーム画面だろう。画面の上部には新たに目標グラフが置かれた。ここには成立した商談の金額、進行中の商談の金額、全体の目標が表示される。目標の変更はクリック2回で行うことができ、進捗状況はただちにグラフに反映される。
目標グラフの下には、取引先に関する情報が配置され、ここには協力企業に関するニュースや、業界全体に関する一般的なニュースが表示される。この情報は、営業担当者が顧客と会話する際に役に立つ。
また、ホーム画面の右側には「Assistant」と呼ばれる領域が設けられた。「Sales Cloud」の製品マーケティングディレクターであるGreg Gsell氏はこれを「Sales Cloudにインテリジェンスをもたらすものだ」と述べている。
「期限が過ぎたタスクや自分に割り当てられたリードを把握することができるようになるほか、問題が発生する可能性のある商談も分かるようになる」(Gsell氏)
Assistantは取引先活動の経過時間について警告を表示したり、タスクの期限を通知したりするのにも使われる。通知の例としては、取引先への電話をする、打ち合わせの予定を決めるなどが考えられる。
カスタマイズ可能なダッシュボード
提供:Salesforce
Gsell氏によれば、15万を超える顧客からの意見で、もっとも要望が大きかったのがこの4カラムダッシュボードだ。この機能の実装を希望する投票は8万票近くに上ったという。