Salesforce.comは米国時間6月25日、マルチチャネル対応の新たなモバイルアプリ向け顧客サービスツール群「Salesforce Service for Apps」を発表するとともに、同ツール群の一角を成す「Salesforce SOS for Apps」の一般提供を開始した。
Service for Appsは同社の「Service Cloud」上に構築されており、企業がモバイルアプリ上に顧客サポートを組み込めるようにすることを目的としている。SOS for AppsはAmazonの「Mayday」ボタンとよく似たコンセプトだ。
Salesforce.comは、モバイルアプリがサービスの中心となる時代に備えてService Cloudの位置付けを強化しようとしている。米調査会社Gartnerが最近明らかにしたところでは、顧客とのやり取りのうち20~40%はモバイル機器を用いて行われているものの、顧客サービスでのスマートフォンの利用は5%に満たないという。
言い換えれば、ほとんどのモバイル機器上のアプリには顧客サービス機能が欠落しているというわけだ。Salesforce.comのサービスクラウド製品のマーケティングを担当するバイスプレジデントSarah Patterson氏によると、同社はモバイルブラウザからアプリ内サービスに軸足を移してきており、現在はポートフォリオの完成に向けて仕上げの段階にあるという。
Service for Appsの機能のうち、顧客とサービス担当者とのやり取りで使用されるものには以下が含まれている。
- Chat for Apps:インスタントメッセージングサービスにより、顧客からサービス担当者に容易に連絡が取れるようになる。
- Tap-to-Call for Apps:サポート要求の電話を担当窓口に直接かけられるようになる。
- Knowledge for Apps:アプリ内から直接、ナレッジベースやヘルプ、FAQを利用できるようになる。
- Cases for Apps:アプリ内から事案の状況を確認したり、カメラを用いてその事案に情報を追加できるようになる。
- SOS for Apps:対話的な動画サポートや、画面上での操作案内、画面共有が利用できるようになる。
Service for Appsは、既に利用可能になっているSOS for Appsを除き、2015年後半にベータ版の提供が開始される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。