Salesforce.comは米国時間9月14日、次世代の「Analytics Cloud」を発表し、同社のデータ分析およびビジュアル化ツールを自社のプラットフォーム全体で利用可能にする意向を明らかにした。目的は、同社の「Analytics Cloud」をサードパーティーのソフトウェア開発者や顧客に向けて幅広く開放することだ。
サンフランシスコでの「Dreamforce 2015」の開催が迫るなか、同社は「洞察を得たその場で」データ分析のビジュアル化が行えるツールを提供すると発表した。これは、ダッシュボード内でアナリティクスやインテリジェンス、Waveのグラフィックスを提供することで、分析結果に対する顧客の迅速な対応を可能にするというものだ。
顧客はカスタマイズしたWaveアクションを生成することで、プラットフォームを横断したケースの生成や、タスクの割り当て、アカウントのアップデートが可能になる。またWaveは、10日に発表された「Salesforce App Cloud」にも統合される。今回の動きは、Salesforce.comがAnalytics Cloudを用いて同社のさまざまなクラウドを結びつけるという戦略のなかで出てきたものであり、幅広い顧客にリーチするうえで最善の手と言える。
「Wave Analytics Cloud」の製品マーケティングを担当するシニアディレクターであるAnna Rosenman氏はインタビューで、分析は発見であるべきだと語っている。同氏は「ビジュアル化および分析アプリを用いることで、Waveプラットフォームを、他のレコードを渡り歩かずとも新たな機会を発見できるようなものにしていきたい」と述べるとともに、「さまざまなシステムの間を行き来して、訳が分からなくなってしまう状況をなくした」と述べている。
Waveのレポートでは、以下の機能を含む、簡潔なグラフィックを搭載した、リアルタイムのダッシュボードが提供される。
- Salesforce.comの新たな「Lightning」ユーザーインターフェースによるレポートやダッシュボード:Waveのビジュアル化により、チームのパフォーマンスや、リード(見込み客)の量、コンバージョン率といった指標が、分かりやすいチャートで示される。
- 埋め込み型ダッシュボード:顧客は任意のWaveダッシュボードをSalesforceのレコードやオブジェクトに埋め込むことで、複数のレコードからパフォーマンス指標やトレンドをまとめて読み取れるようになる。
さらに同社は、他のソフトウェアベンダーと連携して「Wave Analytics Apps」を提供しようとしている。Dreamforce 2015では、ApttusやSteelBrick、Vlocity、FinancialForce.comといった13社の独立系ソフトウェアベンダーがWave Analytics Appsのパイロット版について説明する予定だ。これらのアプリは、見積もりから入金までや、売上高と現金の状況、解約率、通話時間、サプライチェーン、財務データまでさまざまだ。
Rosenman氏は「われわれは、今まで以上にさまざまな場所で、アナリティクスをもたらそうとしている」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。