サンフランシスコ発--Salesforceは「Relationship Intelligence」というキーワードを掲げ、データサイエンスを活用して、電子メールなどの情報からトレンドや商談の可能性を見いだす新たなサービス「SalesforceIQ」を発表した。
SalesforceIQは、2014年に行われたRelateIQの買収から生まれたものだ。この買収は3億9000万ドル規模で、同社はビッグデータと機械学習を利用して、電子メール、カレンダー、スマートフォンへの着信、ソーシャルメディアなどの数多くの情報からリアルタイムで営業につながる知見を引き出す、独自開発のCRMを提供していた。

提供:Salesforce.com
SalesforceIQは、営業チームやカスタマーサービスの担当者と顧客の間でやりとりされる生データを自動的に取得、そのデータを1カ所に集めて分析し、パターンを特定するようになっている。
このサービスは、1年間の再開発期間を経て、同社の基幹サービスである「Sales Cloud」向けと、中小企業向けの2つの形で提供されることになった。
Sales Cloud向けのSalesforceIQは、モバイルアプリからも情報を収集し、CRM、営業担当者の電子メール、Salesforce1プラットフォームを連携させる。
RelateIQチームの製品担当バイスプレジデントであるTimothy Fletcher氏は、「営業担当者は作業時間の3分の2を電子メールのやりとりに費やしており、電子メールには素早く反応する」と話す。
同氏は、現在はそれらの電子メールのデータはほとんどシステムでは利用されておらず、営業担当者はその時点で重要な情報だけを切り出していると仮定され、それが将来の営業に使われていないと述べている(SalesforceIQでは、ほかにも電話からFacebookまで約15種類の情報が利用されている)。

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一方、中小企業向けのサービスは、これまでSalesforceの製品を(あるいはCRMを)一切使ったことがない顧客をターゲットとした、新たな入口として提供される。
中小企業向けの「SalesforceIQ for Small Business」は、米国、カナダ、オーストラリアでサービスが開始された。価格は1ユーザーあたり月額25ドル。最低限の設定ですぐに利用を開始できるとされており、無料トライアルも提供される。
「SalesforceIQ for Sales Cloud」は、現在ベータ版であり、すべての英語版Sales Cloudユーザーが無料で利用できる。価格、他言語への対応、一般提供の開始時期などの情報は、2016年前半に発表される予定だ。

提供:Salesforce.com
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。