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新着記事集:「負荷分散」

Node.jsを活用--日本IBM、スタートアップ企業とAPIで連携するためのサービス

日川佳三

2015-11-13 08:00

 日本IBMは11月12日、スタートアップ企業と連携して新しいビジネスを実現したい企業に向けたシステム構築(SI)サービス「APIクイック・スタート・プログラム」を開始した。自社で開発したシステム機能をウェブAPIとして公開し、これをスタートアップ企業に使ってもらえるようにする。APIの実装は有償だが、API開発のブリーフィングとワークショップは無償で提供する。

 これにあわせて、既存のAPI管理製品「IBM API Management」を無償で提供する施策も同日付けで開始した。API中継ゲートウェイにAPI管理機能を追加したもので、APIを中継して安全に公開したり、ウェブAPIのプロトコルや形式を変換したり、カタログ化して使いやすくしたりする。ゲートウェイ製品「IBM DataPower Gateway」の仮想アプライアンス版とAPI Managementを開発者向けに1年間に限って無償で提供する。

 直近の9月10日には、APIを開発しやすくする方策として、Node.jsや周辺フレームワークを開発しているStrongLoopの買収を発表済み(買収完了はまだ)。9月22日には新製品として、Node.js用のソフトウェア開発キット(SDK)製品「IBM SDK for Node.js V1.2」も発表している。Node.jsはアプリケーションサーバ側で動作するJavaScript実行環境であり、これを使えばJavaScriptを使って簡単にAPIを実装できる。

スタートアップ企業にAPIを使ってもらう

 日本IBMが企業のAPI開発を支援する背景には、ビジネス環境の変化がある。これまで競合ではなかった異業種の会社が突然競合になって猛威を振るう、といった現象が普通に起こり得るからだ。従来は特定の会社との間でピアトゥピアでシステム連携していたが、今後はウェブAPIを公開した連携が望ましい(図1)。

優れたAPIを公開すればスタートアップ企業と組める
優れたAPIを公開すればスタートアップ企業と組める
渡辺公成氏
日本IBM 執行役員 IBMシステムズ・ソフトウェア事業部長 渡辺公成氏

 「欧米は以前から、サービス提供者側のSOA(サービス指向アーキテクチャ)化が進んでいる。日本はまだだ」と執行役員 IBMシステムズ・ソフトウェア事業部長の渡辺公成氏は指摘する。SOAが流行した当時(Java、SOAP)よりも軽量なウェブAPI開発(主にNode.jsによるREST API)を支援することで主にスタートアップ企業との連携につなげる狙いだ。

 国内企業でAPIを公開している企業の例として渡辺氏は、デジタルポストを紹介した。同社は、業務システムに印刷郵送機能を付加するAPIを公開している。業務システムからウェブAPIを利用すると(業務システムにAPIを組み込むと)、デジタルポスト側で印刷データを印刷して郵送する。

API開発のブリーフィングやワークショップを無償で提供

 今回、API開発を支援する施策として(1)APIクイック・スタート・プログラム、(2)IBM API Managementの無償提供、(3)Node.jsによるウェブAPI開発支援――という3つが整ったことになる(図2)。

API開発を支援する3つの施策を揃えた
図2:API開発を支援する3つの施策を揃えた。(1)API開発プロジェクトの支援、(2)APIを安全かつ利用しやすい形で公開するAPI管理ツールの無償提供、(3)APIをJavaScriptで簡単に実装するためのNode.jsの提供

 (1)のAPIクイック・スタート・プログラムは、APIとエコシステムへの理解を深める「ブリーフィング」(2時間、無償)、ビジネスとITの両面からAPI開発の進め方を検討する「ワークショップ」(ビジネス担当者向けとIT担当者向けがあり、それぞれ1日間、無償)、定義したAPIを実際にシステムとして実装する「デリバリー」(有償)で構成する(図3)。

APIクイック・スタート・プログラムのメニュー構成
図3:APIクイック・スタート・プログラムのメニュー構成

 (2)のAPI Managementは、今回無償での提供を始めた既存のAPI管理ツールだ。ウェブAPIのアクセスを中継するゲートウェイ機能をベースに各種の管理機能を付与している。ウェブAPIアクセスのセキュリティ(暗号化、メッセージの検証、不正な攻撃のブロック)、SOAPとRESTの変換といったプロトコル、メッセージ形式の変換、APIを利用しやすくするためのカタログ化、複数のAPIを組み合わせて新たな上位のAPIを設計して公開などの機能を利用できる。

 (3)のNode.jsによるAPI作成支援では、StrongLoopの買収でNode.jsを利用しやすい体制を整えた。企業システム向けの開発フレームワークを持つほか、開発生産性を高めるGUIベースの開発ツール(開発、テスト、実装、バージョン管理)を利用できる。IBMによるSDKは、素のNode.jsに対してRAS(信頼性、可用性、保守性)を追加しているという。メインフレームを含むマルチプラットフォームでNode.jsを利用できる。

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