海外コメンタリー

政府はテクノロジをどう生かすべき?--オープンガバメント推進の立役者、米政府の元副CTOに聞く - (page 4)

Hope Reese (TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2015-12-17 06:15

 それは再犯リスクの判定に使われる特定のアルゴリズムを知っている、刑事司法制度に関わる誰かかもしれません。あるいは、精神疾患を持つ人と実際の犯罪者を見分ける方法を知っている地方の刑事司法調整協議会で働いた経験を持つ州立大学の教授かもしれません。あるいは、刑務所で受刑者が一般教育修了検定や大学卒業資格を取得して、釈放後に仕事に就けるようにすることで再犯リスクを減らすプログラムに関わっている誰かかもしれません。

 しかし、どうすればそのアイデアを手に入れられるでしょうか。われわれは、新しいアイデアを受け入れ、積極的に試さなくてはなりません。どうすれば、国内の幅広い人材を俯瞰して、その機会にあった人材をマッチングできるでしょうか。

--スマートな国家になれなければ、どうなるのでしょうか。

 より少ない資源で、より多くのことをしなければなりません。直面している問題を解決するには、よいアイデアが必要です。コストを削減しようとするなら、アイデアを得るためにテクノロジを利用する必要があります。問題のマネジメントには多様なアプローチも必要になります。もし子供の識字率の向上や、耳にする単語数のギャップを縮小することが目標であれば、一番いいアイデアを出せるのは、政府内の人間ではないでしょう。アプローチに多様性がなければ、多くの人が将来起こる問題で苦しむことになるでしょう。それは識字率の問題かもしれませんし、飢餓や、安全保障や、安全の問題かもしれません。

 政府の提供するサービスを必要とする人に、サービスが行き届かないということが起こる可能性があるのです。例えば、何世代にもわたり機能の低い学校のある地域社会には何が起こるでしょうか?その結果、あらゆる人々に、何世代もの間、あらゆる種類の複雑な影響が起こるでしょう。これは経済的な形だけでなく、犯罪の増加、ドラッグの増加、公衆衛生の問題などの形でも現れてきます。そのすべてが、人の命に関わる問題です。

 政府の働きを改善して生活や地域社会を良くしていくことはわれわれの責務なのです。もし政府のあり方を変えることに失敗すれば、その政府は正当とは言えないものになるでしょう。そのリスクを冒すことはできません。

 スマートフォンが、指先1つでどれだけのことができるかはよくご存じでしょう。それを考えれば、アプリ1つで直接提供できてもおかしくないサービスを受けるために、政府機関で20カ所の窓口を回って、50枚の申請書類を書かなければいけないのは間違っています。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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