農業の自動化
農業従事者の高齢化が進む中、農業の効率化やプロフェッショナル化を進めていく必要性に迫られている。たとえば、自動運転トラクターやセンサによる栽培状況の把握など、農業分野において自動化を進めていくことも重要なテーマとなるだろう。
イギリスでは、従来の大型のトラクターを人間が利用するのではなく、小型の機械が自律的に農地を耕したり、収穫をしたりといったことができるようになり、農業分野に革命を起こすだろうという可能性も指摘している。
知的労働の自動化
人間にとって、雇用に大きな影響を及ぼすと言われているのが、知的労働の自動化だ。
McKinsey Global Instituteが2013年5月に発表した「Disruptive technologies(破壊的技術)」によると、知的労働の自動化(Automation of knowledge work)がもたらす経済的なインパクトは、2025年には5兆2000億ドルから6兆7000億ドルに達すると予測しており、注目度の高いIoTの2兆7000億~6兆2000億円よりも高い数値となっている。知的労働の自動化が進めば、人間の雇用にも大きな影響を与えることになるだろう。
今後、あらゆるモノやコトがサービス化し自動化する社会の流れが進む中、これまで人間にしかできない領域で自動化による置き換えが進んでいくことが予想される。
一方、新たなビジネスチャンスや、新たなキャリアパスも生まれていくことが予想され、こういった時流に乗って、自社の得意とする事業領域において、サービス化や自動化を進めていくことが求められるようになっていくだろう。
- 林 雅之
- 国際大学GLOCOM客員研究員(NTTコミュニケーションズ勤務)。NTTコミュニケーションズで、事業計画、外資系企業や公共機関の営業、市場開 発などの業務を担当。政府のクラウドおよび情報通信政策関連案件の担当を経て、2011年6月よりクラウドサービスの開発企画、マーケティング、広報・宣伝に従事。一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA) アドバイザー。著書多数。