Googleによると、Amazon Web Services(AWS)は最近またもや値下げを実施したものの、「Google Cloud Platform」の方が依然として費用対効果で優っているという。
AWSは米国時間1月5日、51回目の値下げを発表し、米国、アジア太平洋、欧州の複数のリージョンにおける、「Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)」のLinuxが稼働する「C4」「M4」「R3」インスタンス(リザーブドインスタンスとオンデマンドインスタンス、Dedicated Host)の価格を5%引き下げるとした。
Googleが作成した比較表。同社は、AWSの今回の値下げを考慮しても、Google Cloud Platformは同等となる複数のインスタンスタイプではAWSよりもまだ15~41%安価だと強調する。
提供:Google
一方、Googleは8日、AWSの値下げは魅力的に見えるかもしれないが、これには落とし穴があり、特に1年契約あるいは3年契約でリザーブドインスタンスを選択することによってコスト削減を目指している顧客にはメリットをもたらさないと主張した。
「Google Cloud Platform」ソリューションのグローバル担当責任者であるMiles Ward氏は「長期契約を締結したがゆえに、新価格の適用を受けられなかったり、自らのニーズに合わなくなったインスタンスを使い続ける羽目になった顧客の話を耳にしている」と述べている。
実際に、AWSの5日の発表によると、1月1日にさかのぼって値下げが適用されるのは、オンデマンドインスタンスとDedicated Hostのみだという。
Googleは2014年、クラウドの価格低下ペースがハードウェアのそれに追随していない点を指摘したうえで、同社クラウドの価格体系を「ムーアの法則」に従わせるとした。Googleがムーアの法則に基づく継続的な値下げを約束した一方、AWSは2015年、リザーブドインスタンスに的を絞った値下げを実施した。
Googleの値下げ発表を受け、クラウド管理ソリューションベンダーのRightScaleは2015年5月、Google Cloud Platformの価格はAWSに比べると、顧客がオンデマンドインスタンスよりも安価なリザーブドインスタンスを選択しない限り、大幅に低くなると述べていた。
Ward氏は、AWSの今回の値下げを考慮しても、Google Cloud Platformは同等となる複数のインスタンスタイプではAWSよりもまだ15~41%安価だと強調している。
しかし、2015年10月の「AWS Re:Invent」カンファレンスでAWSのシニアバイスプレジデントAndy Jassy氏が、値下げに関する発表のない点を説明する際に述べたように、顧客は同社製品の価格だけでなく、機能や性能に興味を抱くようになってきている。
実際のところ、Gartnerのアナリストらが指摘しているように、AWSは最も幅広い機能と性能を提供することで、IaaS市場をリードしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。