冒頭の発言は、このコメントに続けて強調したものである。これまでも耳にしてきた言葉だが、テクノロジが一段と注目される今だからこそ、改めて肝に銘じる必要がありそうだ。
「ストレージ市場は今後、SDSテクノロジを適用した製品が主流になっていく」 (レノボ・ジャパン 安田稔 執行役員専務)

レノボ・ジャパンの安田稔 執行役員専務
レノボ・ジャパンが先ごろ、2015年12月に米国で発表されたLenovoとNutanixの協業を受け、Lenovoのx86サーバにNutanixのソフトウェアを搭載したハイパーコンバージドシステム「Lenovo Converged HX Series」を日本市場で提供開始すると発表した。同社執行役員専務で法人向け事業を統括する安田氏の冒頭の発言は、今回の新製品に採用されているソフトウェア定義ストレージ(Software Defined Storage:SDS)のテクノロジについて語ったものである。
新製品の内容や特徴については関連記事を参照いただくとして、ここでは安田氏が説明したレノボ・ジャパンのエンタープライズ戦略に注目したい。
安田氏は法人向け事業の要であるサーバ製品について、「ワールドワイドの四半期ごとの売り上げにおいて9%の伸長を続けている」とし、国内市場での売り上げシェアでも「2015年初めからV字回復を達成しつつあり、前四半期では5.5%まで回復する見込みだ」と説明した。
今後の事業戦略については、図のように次世代インフラ市場の高い伸長が見込まれることから、「レガシーインフラ市場において既存製品のシェアを維持しながら、次世代インフラ市場で新規顧客の拡大を図っていきたい」と語った。

今後のITインフラの予測(出典:IDCの調査結果をもとにレノボ・ジャパンが作成)
具体的には、「SDSテクノロジに対応した製品群の展開」「働き方を変える多様なデバイスの提案」「パートナー企業とのシナジーの強化」に注力していく構えだ。
今回の新製品は、この中でSDSテクノロジに対応した製品群の展開における第1弾のアクションとなる。安田氏は「2016年はとくにハイパーコンバージドシステムに注力する」と強調した。
IBMのx86サーバ事業を買収した際に手間取ったことから、一時サーバの売り上げシェアが落ち込んだLenovoだが、前述したようにこの1年で急速な回復ぶりを見せている。その勢いで、2016年はさらなる攻勢に打って出る構えだ。注目しておきたい。