数分でデプロイ完了、1時間6円の課金--Azure上でのRHEL作成をデモ

羽野三千世 (編集部) 2016年02月18日 23時24分

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 2015年11月に、「Microsoft Azure」上での「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」のネイティブサポートを柱とした戦略的提携を発表したMicrosoftとRed Hat。ついに米国時間2月17日、日本を含むAzureの全リージョンで、Azure MarketplaceからRHELがデプロイできるようになった。

 それに合わせて、日本マイクロソフトとレッドハットは2月18日、初めての共同イベント「AzuredCon」を秋葉原で開催。基調講演では、日本マイクロソフト OSSエバンジェリストの新井真一郎氏と、レッドハット RHELエヴァンジェリストの藤田稜氏が、2社の提携の詳細を説明した。また、日本マイクロソフト クラウドソリューションアーキテクトの吉田雄哉氏が、実際にAzure上にRHELを展開するデモを披露した。

RHELだけではない、MSとRed Hatの大規模提携

 Microsoftは従来から、Azure上でLinuxの主要ディストリビューションをサポートしてきたが、今回のRed Hatとの提携の範囲はAzure上でRHELをサポートするだけにとどまらない。Azureとオンプレミス環境で稼働するRed Hat製品(RHEL、Atomic Host、OpenShift、JBoss、Gluster Storage)を含んだハイブリッド環境を統合的に共同サポートしていくという内容だ。

 さらに、「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform」や「Red Hat Enterprise Virtualization」のゲストOSとしてWindowsを公式サポートするほか、Microsoftの管理ツール(「System Center」「Operations Management Suite(OMS)」)とRed Hatの管理ツール「CloudForms」の双方でWindowsとRed Hat製品が混在する環境の統合管理を可能にした。

 また、Red Hat製品にMicrosoft .NETを統合する。「.NET Framework」のOSS版「.NET Core」をRHELのオプションとして提供するほか、OpenShiftで.NET環境をサポートする。

RHELを1時間6.12円の従量課金で利用できる


レッドハット グローバルサービス本部 プラットフォームソリューション統括部 RHELエヴァンジェリスト 藤田稜氏

 Azure MarketplaceからRHELがデプロイできるようになったことについて、藤田氏は、「これまでもRed Hat Cloud Accessという仕組みを使って、レッドハットから購入したRHELのサブスクリプションをAzureに持ち込むことはできたが、この操作はややテクニカル。Azure MarketplaceにRHELが用意されたことで、わずか数分でAzure上にRHELをデプロイできるようになった。しかも、1時間当たり6.12円の従量課金で利用できる」と説明した。

 Azure上のRHELへの更新パッチ適用は、現状ではRed Hatのカスタマーポータルか、オンプレミスのRed Hat Satelliteから行う。「将来的には、Red Hat Update Infrastructure(RHUI)という仕組みをAzure上に置き、RHELの更新もAzure上で完結できるようにする予定だ」(藤田氏)

RHEL on Azureのユーザーメリットとは


日本マイクロソフト マーケティング&オペレーションズ クラウド&エンタープライズビジネス本部 OSSエバンジェリスト 新井真一郎氏

 続いて登壇した新井氏は、「今や、Azure上で稼働する仮想マシンの25%はLinuxになった。RHELの選択肢が加わることで、この割合はさらに拡大するのではないか」と述べた。

 RHELは、もちろんAzureだけでなくAmazon Web ServicesやGoogle Cloud Platform、IBM SoftLayerの上でも稼働する。RHELを展開するクラウドサービスとしてAzureを選択することのユーザーメリットについて、新井氏は、「Azureが日本国内の2カ所のデータセンターでディザスタリカバリできること」「JASAのCSゴールドマークを取得するなどセキュアであること」などを挙げた(関連記事)。

 特に強調したのは、「Azureならではのサービスを、高品質な商用LinuxであるRHELと組み合わせて使うことで全く新しいことができるようになること」(新井氏)だ。これまでRHELでできたことがAzure上でできるようになるだけではないという。

 その事例として新井氏は、電子書籍出版社のNEXTBOOKのAzure Media Services採用を挙げた。Azure Media Servicesはオーディオや動画を、ライブまたはオンデマンドでエンコードし、ストリーミング配信するサービスだ。NEXTBOOKは、さまざまなOS環境へ動画をストリーミング配信するための基盤としてAzure Media Servicesを導入した。「動画を配信するには、顧客管理やアクセス管理の仕組みも一緒に構築する必要がある。ここで、高品質なRHELをという選択ができるようになった」(新井氏)

数分でRHELをデプロイ


日本マイクロソフト クラウドソリューションアーキテクト 吉田雄哉氏

 最後に吉田氏が、Red Hatのシンボルである赤いハットと、“Microsoft loves Open Source”のロゴが入ったAzureブランドカラーのシャツという姿で登場し、実際にAzure MarketplaceからRHELをデプロイするデモを行った。

 まず、Azureのダッシュボードから「新規」をクリックし、メニュー検索窓に「red hat」と入力すると、今回サポート開始したRHEL 7.2とRHEL 6.7が候補として表示されるので、選択して作成・実行する。デモではRHEL 7.2を選択した。


AzureのダッシュボードからRHELの仮想マシンを新規作成

 次に基本設定の構成を選択。仮想マシンの名前、ユーザー名、パスワードを入力し、サブスクリプションでデプロイ先のリージョンを指定する。「メニューリストで、西日本リージョンと東日本リージョンは並んでおらず、東日本は東南アジアの下にあるので注意」(吉田氏)


RHELの基本構成を設定

 仮想マシンのサイズを設定する。コア数、メモリ容量、IOPSなどについて最適な設定をセットにしたメニューが用意されている。


RHELのサイズを選択

 基本構成、サイズの設定、オプション機能の3ステップの設定が完了すると、全体の設定を確認する画面が表示され、デプロイが開始される。


RHELをデプロイ中

 数分ののち、RHELのデプロイが完了した模様だ。Azureの西日本リージョンに、AzuredContestの名称で仮想マシンが作成された。


Azureの西日本リージョンにRHELが作成された

 Red Hat系Linuxディストリビューションの種類とバージョンを確認するコマンド「cat /etc/redhat-release」を打つと、確かにAzuredContestはRHEL 7.2であると表示された。


「cat /etc/redhat-release」コマンドを打ってみた

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