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XenAppとXenDesktopに新版、Skypeを高速化--社内外のウェブアクセスを分離 - (page 2)

日川佳三

2016-03-25 07:30

 以前から提供している「Personal vDisk」機能と組み合わせて今後利用できるようになることを打ち出している。Personal vDiskは、エンドユーザー全員で共通のデスクトップイメージを使いながら、エンドユーザーごとのアプリケーションやデータ、設定情報を扱えるようにする機能。今回追加したAppDiskが提供するOSやアプリケーションのイメージはリードオンリーでエンドユーザーが書き換えることはできないが、Personal vDiskが提供する個人領域はエンドユーザーが自由に書き換えられるようになる。

 (2)では、Skype for Businessをシンクライアント環境で快適に利用できるようにした(図2)。具体的には、シンクライアント(Citrix Receiver)同士がPtoPで音声と映像のデータを直接やり取りする仕組みにした。

図2:Skype for BusinessのRTP通信(音声と映像)をシンクライアントにオフロードして高速化した
図2:Skype for BusinessのRTP通信(音声と映像)をシンクライアントにオフロードして高速化した

 Skype for Businessのソフトウェア自体はサーバ側で動作するが、Skype for Businessのセッション確立後は、音声や映像を転送するRTP(Real-time Transport Protocol)通信の処理だけをシンクライアント側にオフロードする。

 (3)では、遅延やパケットロスが大きい低品質なネットワーク向けの画面転送オプション(Framehawk)を強化した。低品質ネットワークを使いつつ、製造業で使われるCADアプリケーションのデータのような情報量の多いデータでも転送できるようになったとしている。

 機能面の強化とは別に、1月から長期サポートオプションも用意した。5年間の標準サポートに加えて追加で5年間の延長サポートを有償で受けられる。これにより最長で10年間、同じバージョンの製品を使い続けることが可能になった。長期サポートでは、あらかじめ予定されたスケジュールに則って、累積アップデートをまとめたジャンボパッチを提供するなど、長期利用に合ったサービスが受けられる。

ウェブブラウザの遠隔操作に特化、環境を安全に分離

 3月24日に廉価版の新エディションとして提供が始まったXenApp Secure Browser Editionでは、遠隔操作できるアプリケーションの種類をウェブブラウザに限定している。セキュリティ上の理由でインターネット接続用のウェブブラウザと社内システム接続用のウェブブラウザを分離したいという需要に適する。

 典型的な使い方はこうだ。社員が使うPCはインターネットに接続されており、社員はローカルのウェブブラウザを使ってインターネットに自由にアクセスしている。これとは別に、社内システムにアクセスするための、インターネットとは切り離されたウェブブラウザがサーバ上で動作しており、社員のPCからはシンクライアント接続を介してこれを遠隔操作する。

 これとは逆のパターンで、PCをインターネットから遮断しておき、サーバ側のウェブブラウザを介してインターネットにアクセスさせるやり方もある。

 使い勝手を高める工夫として、遠隔操作するサーバ側ウェブブラウザの画面を、ローカル環境のウェブブラウザのタブの1つに表示する使い方ができる。HTML5で実装した画面情報端末クライアントソフト(Receiver for HTML5)を利用すれば、Citrix Receiverをインストールしなくて済む。

 XenApp Secure Browser Editionの税別価格は、1ユーザーまたは1デバイスあたり2万2500円。

シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング本部長 高沢冬樹氏
シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング本部長 高沢冬樹氏

デスクトップ環境の需要に応える形で機能を強化

 XenAppやXenDesktopはこれまで、アクセス手段や動作環境などを拡張する方向で機能強化を図ってきている。マーケティング本部長の高沢冬樹氏は「多様化への期待に応える」ものだと説明する。

 高沢氏は、仮想デスクトップの現在の需要を大きく3つ指摘する。1つは、場所に囚われない働き方を実現するというワークスタイルの変革だ。テレワークなどの働き方の多様化のほか、災害時に在宅勤務で事業を継続させる用途、さらに事業を海外に迅速に展開する手段として仮想デスクトップが適する。

 需要の2つめは、インフラの課題を解消する手段として使うというもの。旧OS向けに開発されたアプリケーションをWindows 10の環境で利用したり、1台の端末を利用しながら社内システムとインターネットを分離してセキュリティを確保したり、といった具合だ。

 最後の需要は、業種や業務に依存した課題を解消するというもの。例えば、製造業では、CADアプリケーションのグラフィックスをサーバ側のGPUで描画し、これをシンクライアント経由で操作する使い方が登場した。これにより、高価なGPUを搭載したワークステーションを使わなくても済むようになった。

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