矢野経済研究所は4月8日、国内のM2M市場の調査結果を発表した。調査は2015年9月から2016年1月にかけて、国内外のIT事業者(SIerなど)、通信事業者(キャリア)、仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator:MVNO)や事業者を支援する事業者MVNE(Mobile Virtual Network Enabler:MVNE )、デバイスメーカー、ユーザー企業などを対象とし、同社専門研究員による直接面談、電話・Eメールによるヒアリング、ならびに文献調査を併用した。
それによると、2014年度の国内M2M市場は累計金額ベースで1490億円となった。2015年度は1620億円の見込みで、2020年度には2000億円になると予想している。
国内M2M市場規模予測(累計金額ベース)(矢野経済研究所提供)
この調査ではM2M市場規模について、M2Mを実現するための、デバイスやモジュール、M2Mプラットフォーム、システム構築やアプリケーション開発、回線利用料、データ解析・制御などのソリューション、運用・保守サービスなどを対象とし、累計金額ベースで算出した。
調査結果の概要は以下の通り。
2015年度の国内M2M市場は累計金額ベースで1620億円の見込み
2014年度の国内M2M市場は堅調に推移しており、累計金額ベースで1490億円となった。2015年度はM2M回線ビジネスでの上位事業者が順調に業容を拡大したほか、ビジネス環境が整ってきたMVNOにおいても、多様なサービスが開始された。2015年度の同市場規模は累計金額ベースで1620億円の見込み。
スマートメーター関連での需要がけん引し、エネルギー分野のM2M累計回線数が増加
2014年度末の国内M2M累計回線数を分野別にみると、エネルギー関連が410万回線(構成比27.0%)と最も多かった。エネルギー分野については、スマートメーター関連での需要がけん引し、回線数が増加している。スマートメーターの設置拡大などスマートハウス関連需要の増加、電力自由化などの追い風もあり、今後も更なる拡大が見込まれる。
分野別の国内M2M累計回線数(2014年度末、単位:千回線)(矢野経済研究所提供)
2020年度の国内M2M市場は累計金額ベースで2000億円を予測
国内M2M市場は、2016年度以降も依然としてエネルギー分野がけん引役となり、全体としては拡大基調が続くものの、今後はM2M回線あたりの単価が低下する見通しであることから、2020年度の同市場規模は累計金額ベースで2000億円になると予測する。