企業を推進するべき「健康経営」

Googleが採用した“瞑想”--マインドフルネスとは何か - (page 2)

石見一女

2016-05-28 07:30

――瞑想から生まれたマインドフルネスをGoogleも導入したと言います。

 Appleの創業者のSteve Jobs氏は禅に興味を持っていました。雑念という煩悩を取り払ったところに潜在意識があると言われています。何か解決したいとき、人に聞かなくても自分の潜在意識には答えがあるのかもしれません。夢の中にいろいろな解決のヒントを見つけて思わずメモすることがありませんか。それは潜在意識ではないでしょうか。Jobs氏は、禅を学ぶことで、自分の潜在意識を引き出し、高めようとしたのだと考えています。

――これから瞑想などをやってみようという人にアドバイスをお願いします。

 「十息正座(じっそくせいざ)」というのをやってみられてはいかがでしょう。

 ゆっくり息を吐いて、ゆっくり吸う。それを10回繰り返すというものです。もちろん、座ってするのがよいのですが、ただ呼吸するだけなのでどこでもいつでもできます。

 呼吸をするときは丹田まで、すなわち腹式で腹のそこから行います。そして、大事なことは「今」呼吸に集中することです。過去でも未来でもなく「今」に集中する。そうすると雑念がほどけていくのです。

「今」に集中し、潜在意識に問う

 中村社長のお話しをうかがい、印象深かったのは「今に集中する」ということでした。

 過去を振り返ると不満や後悔、未来は不安。これでは感情に振り回されて客観的な判断ができなくなります。「今」に集中することで、意識をニュートラルにできるということなのでしょうか。

 リーダーは意思決定を求められます。意思決定の先につながる道が成功なのか、そうでないのか、先のことなど合理的な判断でわかるものではありません。後悔や不安といった雑念を払い、その奥底にある潜在意識が示す解決策を導くのかもしれません。

 またこのストレス社会では、ひとりひとりが心身の調整を行い、健全を保つことが一層重要になってきます。心身の調整が呼吸でできるのであれば、誰でもが簡単に取り入れられます。

 マインドフルネスを実践できるアプリも多数出てきています。アプリを使って気軽にマインドフルネスを体験することから始めてもいいかもしれません。こちらは改めて紹介したいと思います。

石見一女(いわみ かずめ)
株式会社Be&Do代表取締役 一般社団法人人と組織の活性化研究会代表理事 オンラインで行動変容を実現する手法と仕組みを開発し提供する事業をおこなっている。その仕組みを用いた自発的な健康増進をもたらすプログラム「健康100日プロジェクト」や健康経営推進ポータル「ウェルビネぷらす」を開発、販売。学習の定着化、オンライントレーニングなどのサービスを提供。

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