デジタルメッシュを採用する:境界のないプラットフォームの活用
チームワークは必要不可欠だ、とすべての企業は理解しています。しかし、成功するために他の企業、サービス、そして顧客と協力する必要性についてはどうでしょうか。従来の企業にとっては、組織の境界をなくしていくという考え方は新しいものです。
境界のないプラットフォームは、人やモノ、アルゴリズム、その他関連するものすべてを相互作用するように接続し、ビジネスを優位に保ちます。このデジタルメッシュと呼ばれるあらゆるものを相互に接続した状態は、個々の企業に対してだけでなく、業界全体やエコシステムにおいて非常に価値のある状態といえます。
ゼネラル・エレクトリック(GE)のオープンイノベーションの例を見ましょう。同社では、社内外の両方でイノベーションに関するクラウドソーシングが行われています。このアプローチは、社内だけでは関わり得なかった人たちとやり取りすることによって、それぞれの垣根を越えて同社の問題を解決することに役立っています。
フォードは、自らが自動車メーカーであるという垣根を越えた未来の交通のあり方として、交通手段の多様性に関する可能性を研究しています。これには、自分が車を運転する以外のあらゆる交通手段が含まれており、例えばライドシェアや自転車のレンタルなども含まれています。
インドの農家たちはインスタントメッセージングサービスであるWhatsAppを顧客とつながるためのマーケティングのツールとしてのみならず、地域間、言語、社会経済的問題を超えて、農業でのアドバイスや専門家とのやり取りなど、新しい農業のやり方を学ぶためのサポートネットワークとして活用しています。
デジタルメッシュが何億という人やモノなどすべてをつなげて境界を意識しないデジタル体験を生み出し、デジタルビジネスを促進するのです。
次回予告
次回は残りのトレンドである「データを消費し価値を得る:考察こそが重要」「マエストロになる:混成チームの指揮」についての解説とまとめ、4つのトレンドに副次的に発生するデザイン思考と近代工学についてご説明します。