コンテナ、Windows、Azure対応の「Ansible 2.1」の提供を開始--Red Hat

NO BUDGET

2016-06-02 07:15

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 米Red Hatは5月25日、エージェントレスなオープンソースのIT自動化フレームワークの最新版「Ansible 2.1」の提供を開始をした。Ansible 2.1は、GitHub、PyPI、大部分の主要Linuxディストリビューションのパッケージマネージャー経由で入手できる。

 Ansibleは、ネットワーク設定、クラウド展開、開発環境の構築といったルーチン活動を自動化することにより、より迅速かつ簡単にITアプリケーションや環境を展開できる。

 今回のAnsible 2.1では、2月に提供を開始したネットワークオートメーションのサポートを統合した。コンテナに対するサポート拡充、WindowsとMicrosoft Azureのサポートなど、多くの新機能も盛り込んだ。

 主な新機能は以下の通り。

WindowsとAzureのサポート

 Ansible 2.1ではWindows環境をサポートし、Windowsを含むクロスプラットフォーム環境を完全に自動化する、単一の自動化プラットフォームとして使用できるようになった。

  • Microsoft Azureのより幅広いサポート:AzureのResource Manager機能を活用する能力など、ハイブリッドクラウド展開に対するAnsibleのサポートを拡充
  • 新しいWindowsモジュール:Windowsファイル共有の管理およびWindowsファイアウォールを可能にし、Ansible内でWindowsの自動化可能エリアを拡大
  • NT LAN Manager(NTLM)でドメインに参加しているマシンの管理を容易に:ユーザー名とパスワードだけでより安全なドメインユーザー認証を可能にし、Ansible管理マシン上でのKerberosの設定管理の必要性を軽減
  • Kerberos委譲をマルチホップシナリオに拡大:ドメインファイル共有、Microsoft SQL Serverなどへの透過的なアクセスを必要とするレガシースクリプトやインストールの認証情報フローを改善
  • 新しいwin_reboot actionを用いた簡単な再起動:ワークフローの一部としてシステムの再起動も必要とするWindowsプラットフォーム上の自動化ソフトウェアのインストールの課題の解決を支援

コンテナに対するサポートの拡充

 Ansible 2.1では、新モジュール「docker-service」を追加したほか、Ansibleの既存のDockerモジュールも書き直して導入した。

  • docker_service:AnsibleユーザーによるDocker Composeの使用、複数のコンテナアプリケーションの管理、拡張を可能に
  • docker_container:基本のコンテナライフサイクルを管理
  • docker_image:Dockerイメージを作成、送信、取得、タグ付け
  • docker_login:Dockerレジストリへのアクセス管理用
  • docker_image情報:メタデータ用イメージの詳細確認

 これらの新しいdockerサービスモジュールを使用することで、ユーザーはDocker Composeをより広範囲のAnsible playbookに組み込み、コンテナ環境の外にあるネットワークやオペレーティングシステム、展開インフラストラクチャを設定することが可能となる。

ネットワークオートメーションの提供

 ネットワークオートメーションのサポートにより、Ansibleの自動化機能をネットワークにも拡大、システムやアプリケーションで既に利用しているのと同じ手法でネットワークインフラストラクチャを管理できるようになった。

 これにより、ネットワークチームが構成の自動化、テスト駆動型のネットワーク展開、持続的なコンプライアンスといった、新しい展開パラダイムを活用できるようにしている。

 Ansible 2.1では40個以上の新しいコアモジュールを追加し、Arista EOS、Cisco IOS、Cisco IOS-XR、Cisco NXOS、Cumulus Networks、Juniper Junos、OpenSwitchなど、さまざまなネットワークプラとフォームに対するネットワーク自動化サポートを提供する。

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