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Microsoft WPC 2016

WPC 2016開幕--テーマはデジタル変革、JALのホロレンズに注目

怒賀新也 (編集部)

2016-07-12 04:03

 米Microsoftは米国時間の7月10日からおよそ1週間にわたり、カナダのトロントで年次パートナー向けカンファレンス「Microsoft Worldwide Partner Conference 2016」(WPC 2016)を開催している。パートナービジネスを重視する同社にとって重要度が高く、7月から始まった新年度の方向性を示す機会となる。

 今年は世界から1万6000人、日本からはパートナーを中心に150社384人が参加。最高経営責任者(CEO)のSatya Nadella氏がどのような方向性を示すのか、最高執行責任者(COO)を務めていたKevin Turner氏が退任することによる影響などにも注目が集まっている。

1万6000人を集めたWPC 2016最初の基調講演に臨む最高経営責任者(CEO)のSatya Nadella氏
1万6000人を集めたWPC 2016最初の基調講演に臨む最高経営責任者(CEO)のSatya Nadella氏

 7月11日、最初のキーノートにSatya Nadella氏が登場した。今年のキーワードは、ITのさまざまな企業が相次いで表明している「デジタルトランスフォーメーション」だ。

 Nadella氏は自動車、エレベータなどGDP(国内総生産)のあらゆる構成要素がセンサを経由してネットワークにつながるようになっているとし、「革命のチャンスが訪れている」と切り出した。「変革の範囲は広い。もはやシリコンバレーの企業だけのものではなく、すべての企業がデジタルカンパニーになる」(Nadella氏)とする。

応用可能性をアピールしたJALのHololens活用

 デモンストレーションでこの一例として紹介した日本航空(JAL)。Hololensの事例は、デモの中でもとりわけ注目を集めた。


Hololensを使ったJALの機体整備のデモ


 これは、JALの機体整備サービス担当者向けのトレーニングツールをHololensで試作したもの。時間があれば、上記の4分余りの動画を参照してもらいたいが、内容は、飛行機のエンジンに燃料を導入する作業における、パーツ内部での燃料の循環システムなどを紹介するものだ。

 燃料がどこを通って所定の機器に充填されるのか、また、充填時に触れてはいけない場所を黄色の信号を使うなどして説明している。

 作業者は、「巨大なエンジンシステムを持ち込むことなく」、どこでも気軽に、危険を伴うような精密機器の内部構造を学習することができる。

 Nadella氏が「産業および工業デザインをはじめ、ありとあらゆる場所でHololensは利用できる」とコメントしたように、この仕組みの汎用性は強く、製造業に限らず、さまざまな業種に応用が利くと考えられる。Microsoftのパートナー企業にとって、次の収益製品の開発を検討する上で有望な技術と言える。

 規模を問わずデジタル変革、というテーマを裏付けるためか、基調講演には、米General Electricの最高経営責任者(CEO)、Jeff Immelt氏が登壇した。


Nadella氏とそろって登壇した米General Electricの最高経営責任者(CEO)、Jeff Immelt氏(左)

 GEとMicrosoftは7月11日、クラウド領域でのパートナーシップにおいて、クラウド技術を統合すると発表。GEが主導するIndustrial Internetをビジネス展開するためのプラットフォーム「Predix」をMicrosoft Azure上で稼働させる。

 これは、GEが持つ、産業や製造業におけるデジタルの専門性とMicrosoftのITの間に橋を渡すもの。Nadella氏は「ITとOT(工場などの制御機器など)の融合を実現する」とし、さらにパートナー企業がこの領域でビジネスを手掛けられるようになると指摘した。

 Immelt氏は「Microsoftと協業することで、(ITの領域において)早く動けるようになる」と話す。クラウド上にPredixを置き、世界の各地に300~400人の生産体制を持つことで「サプライチェーン全体として、稼働率を圧倒的に高めることができる」とその狙いの1つを説明した。

 Immelt氏は会場に来ているパートナーへのコメントで「皆さん、変わらなくてはいけない」と呼び掛けた。「25年前、われわれは“全部アウトソースしよう”が合言葉だった。今はそれではだめ」

 「CIOの役割も大幅に変わる。生産性向上の重要性が高まる。われわれができるならみなさんもできる」としながら、デジタル化への取り組みを強調した。

Microsoftにとってのデジタル化実現

 Nadella氏は、デジタル化を実現するたのMicrosoftとしての事業モデルとして「顧客サービス、営業活動、フィールドサービスをコミュニケーション、コラボレーションとつなげること、それが私の夢なんだ」と言う。

 顧客からの要望、マーケティング、仕入れ、人事、需要予測などさまざまなアプリケーション上にあるデータを、Office 365、Dynamics 365、各パートナーのアプリケーション、そしてAzureとつなげていくことで、ビジネス価値の創出につなげるというのが基本的なシナリオだ。さらに2015年11月25日に発表した「PowerApps」や「Power BI」でビジネスプロセスを統合していく。

 さまざまなアプリケーションを連携させ、データを使いながらマイクロサービスなどを中心とした新たなアプリケーションを作り出していく。「SaaSのやり方を変えるだけで、アプリケーションの本質も変わっていく」とNadella氏は話している。

Office 365、Dynamics 365などを軸にデジタル化へ
Office 365、Dynamics 365などを軸にデジタル化へ

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