Googleは米国時間8月16日、数カ月前の予告通り「Google Cloud Platform」の3つのデータベースサービスをベータ版から正式サービスに移行したと発表した。同時に、「Google Compute Engine」(GCE)でデータベースを利用するユーザーにとって役立つ、いくつかの機能強化も行っている。
一般提供が開始されたのは、「Cloud SQL Second Generation」「Cloud Bigtable」「Cloud Datastore」だ。
Cloud SQL Second GenerationはフルマネージドのMySQLデータベースだ。今回の一般提供開始にあたって、「MySQL 5.7」のサポート、ポイント・イン・タイム・リカバリ(PITR)機能、自動ストレージリサイズ機能、クリック1つでフェイルオーバーレプリカの設定を行える機能など、エンタープライズ向けの機能が追加されている。
Cloud Bigtableは「Apache HBase」クライアントとの互換性を持つ、大規模スケールが可能なフルマネージドNoSQLデータベースで、大量のデータの処理に向いている。
またCloud Datastoreは、スケーラブルなフルマネージドNoSQLデータベースで、シャーディングやレプリケーションを自動的に行っており、可用性の高さと機能の豊富さを特徴としている。
同時に発表されたGCEの機能強化の内容は次のようなものだ。
- Google Compute Engine上で「Microsoft SQL Server」のイメージが利用可能になった。
- SSDを使用した永続ディスク(Persistent Disk)ボリュームのIOPSが1万5000から2万5000に引き上げられた。性能向上に伴う追加費用はない。
- データベースのバックアップに、顧客が管理する暗号化キー(CSEK)を使用するオプションが追加された。
- 「Cloud Storage Nearline」の遅延が短縮された。これまではデータの取り出しにオブジェクトごとに3~5秒の遅延が生じていたが、Standardに近い水準まで改善された。
各データベースサービスの正式リリースや、同時に発表された機能強化は、エンタープライズ市場を攻略しようというGoogleの取り組みの一環であり、Googleのデータベースサービスを本番環境で利用してもらう準備が整ったという同社のメッセージだ。同社は発表文で、「当社は、あらゆる規模と種類のデータベースを使用している企業に対して、最小限の摩擦で、最高のコストパフォーマンスを提供したいと考えている」と述べている。