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記事まとめ「テレワーク常態化で見えたこと」
人材育成の新手法「アクティブラーニング」

効率性の追求が変革の機会を奪う--「定型硬直」に効く“ワカモノ”の条件

得能絵理子

2016-10-02 07:00

何か物足りない地方の旅館

 先日、伊豆の老舗旅館を訪れた。食事、温泉、サービス、ともにまあまあだった。満足できなかったわけではない。とれたての魚も美味しかったし、温泉も気持ちよかった。 しかし、何かが物足りないのだ。

 一番、そう思えたのがお土産コーナーだった。まるで昭和にタイムリップしたようなラインナップ、買いたいものがまるでない。


 地方の旅館に行ってそんな体験をしたことがないだろうか。悪くないけれど、良くもない。なんか古びた感じがするお土産物コーナー。結局、欲しいものが見つけられず、何も買わずに帰ってしまった。

 全国で、こういう旅館が増えている。なぜ地方旅館の土産コーナーは進化をやめてしまったのか。ちゃんと理由がある。

 そもそも旅館は忙しい。シーズン時など、朝から晩までてんてこまい。そんな中で、商品を途切れないように仕入れて、さらに食品の場合、賞味期限内に売り切ると言うのは容易なことではない。土産物コーナーにちょっとしたスペースがあると商品数だけでも百以上に膨れ上がる。これを管理する担当者は大変だ。

 そんな時、この問題を解決する新しいサービスが生まれた。全国の旅館に、「魅力的な」お土産を効率よく卸す事業者だ。 それっぽい御土産を全国規模で生産し、これをパッケージだけ変えて、全国の旅館に卸す。全国規模で開発するので、単価が安くなる。

 さらにこうした事業者はどういった商品が売れるのかをよく研究している。デザインも今風だ。地方では作れないような洗練された商品も作れる。食品であっても、賞味期限を心配しなくていい。期限が長い商品をあらかじめ、準備しているからだ。旅館の仕入れ担当者がやることは、業者が作った土産物リストから、自旅館にあった商品を選ぶだけ。食品はもちろん、キーホルダー、小物、鞄、となんでもそろえられる。さらには現場にきて展示までしてくれ、売れない商品の返品までできるのだ。 いたれりつくせりだ。

 こうしたサービスは、忙しい旅館担当者にとって、文字通り、救世主となった。昭和期に始まったこの種のサービスはたちまち、全国に広がっていった。今や、こうした事業者のサービスを利用していない旅館を探す方が難しい。 サービスを思いついた事業者は、まさに新しいビジネスモデルを作ったイノベーターと言えるだろう。

 しかし、こうしたサービスがあまねく全国に広がった結果、全国の土産物屋にはどこも同じような商品が広がることとなった。 そして何より、旅館の担当者が何も考えなくなってしまったのだ。 結果、私のように、そうしたお土産物コーナーに満足しない客が出始めてきたというわけだ。

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