セゾン情報、データ転送の確実性を持ったIoTデータ連携ミドルウェアを発表

山田竜司 (編集部)

2016-09-13 07:00

 セゾン情報システムズは9月9日、IoTデータ連携ミドルウェア「HULFT IoT」を9月16日から販売開始すると発表した。接続100エージェント単位で導入できサポート時間によって料金が異なる。サポートが9時30分から17時の場合は、月額税別価格10万円。24時間365日のサポートの場合は同20万円。HULFTのパートナー経由にて販売予定であり、初年度300社への導入を目標とする。

 HULFT IoTはファイル転送ミドルウェア「HULFT」を発展させたIoTデータ連携ミドルウェア。製造業を主なターゲットに据え、データ転送の安全性、確実性、秘匿性を備えるという。


常務取締役CTOの小野和俊氏

 開発を主導した常務取締役CTO(最高技術責任者)の小野和俊氏はHULFT IoT開発の背景として一般的に使用される、「MQTT」「HTTP」といった軽量なオープンソースのネットワークプロトコルでは、決済やセキュリティ、トラッキング、リモートモニタリングなどの領域におけるデータ転送の信頼性は低く、ビジネス要件を満たせない場合があると説明。

 こうした課題を解決するHULFT IoTの特徴として「信頼性」「自動化」「コスト削減」を挙げた。信頼性とはデータの送達保証や整合性チェック、データ暗号化により安全確実にIoT機器からシステムにデータを届ける点である。電気やガスなどのスマートメーターからの利用量測定や、出荷した物品の位置追跡などのミッションクリティカルな領域での領域で有用とした。


「IoT ミッションクリティカル領域」

 HULFT IoTは転送状況の稼働を監視し、何らかの原因で転送が失敗した場合も自動的に再送信する「自動化」機能を備える。機器の特定やデバイスを設置した場所に赴いての復旧の際に工数削減になると説明した。

 標準で圧縮転送機能を備えており、地域防犯や工場での設備監視などを目的とした動画による遠隔監の際、ファイルデータの増加やネットワーク帯域を圧迫を低減し、「コスト削減」できるとした。

 セゾン情報システムズではクラウド接続アダプタを介してノンプログラミングでデータ連携する、エンタープライズアプリケーション統合(Enterprise Application Integration:EAI)の「DataSpider Servista」を販売しており、HULFT IoTとの連携によって、IoTデバイスからクラウド間のデータ連携を一気通貫で提供可能という。

 HULFT IoTは4月から先行検証版の提供を開始し、すでに10社のグローバル製造業で利用実績があると説明。今回、そのフィードバックを元に正式出荷となった。

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