企業向けビジネスで競合するGoogle、Microsoft、Salesforceらは、サイロ化されたアプリケーションではなく、さまざまな統合された生産性スイートを提供する傾向にある。だが、Googleには重要なものが欠けている。CRMだ。
そこで注目されるのが、「Google Apps for Work」向けに構築されたクラウドベースのCRMプラットフォーム「ProsperWorks」だ。ProsperWorksはGoogleのエンタープライズ事業に将来を委ねており、これまでの経過は申し分ないものだ。売上高は前年比504%増となり、顧客数は6万3000に達している。
ProsperWorksは米国時間9月27日、シリーズBの投資ラウンドで2400万ドルを調達したことを発表した。これにより、国際展開を進めるほか、データサイエンスチームを構築し、同社のCRMをデータベースからバーチャルな営業担当幹部へと変革する計画だ。
最高経営責任者(CEO)のJon Lee氏は米ZDNetに対し、「CRMを単なるデータベースから、次に何をすべきかを教えてくれるシステムに変えられるようにしたい」と説明する。
投資ラウンドを率いるのはNext World Capitalで、Storm Ventures、True Ventures、Industry Ventures、Devoteam、そして戦略的なエンジェルのコンソーシアムが参加している。新投資ラウンドにより、これまでの調達額は3400万ドルとなった。
Lee氏によると、ビジネスの「第一段階」は、自動化されたデータエントリー、Googleの生産性アプリとの統合などを通じて、データの品質と包括性を実現するCRM製品を構築することにあったという。
第二段階では、営業チームが自分たちのアクションと実績の関連性を見出し、最終的に取引を成立させるにはどうすればよいかを営業チームにアドバイスできるシステムを目指す。例えば、営業担当に「この顧客には7回しか電話していない。8回すべきだ」などと伝えるシステムが考えられるという。
ProsperWorksは調達した資金を使って自社でデータサイエンスチームを構築するが、同時にGoogleの機械学習プラットフォームも活用する。Googleのチームと週ベースでミーティングを重ねているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。