Amazon、Facebook、Google、IBM、Microsoft、Google傘下のDeepMindが、9月28日に人工知能(AI)の普及とベストプラクティスを共有する非営利団体「Partnership on AI」の立ち上げを発表。AIの普及促進を共同で図るということ以外に背景の詳細な説明がなかったこともあり、米国政府などの関与があるのではないか、との指摘もあった。
これについて、IBM World of Watsonでの取材中に真相がはっきりした。日本IBMの執行役員でワトソン事業部長を務める吉崎敏文氏は「IBMのWatson研究所に5社を集めた。重要なのはAIの市場を立ち上げること。そのためのフレームワークなどをつくることが目的だった。AIを脅威と考える世論が米国にあることも理由の1つ」と述べた。
6社はあくまでも初期メンバーであり、今後も広げていくという考えを示した。IBMと提携しているAppleなどが入る可能性も十分あるという。米国政府の関与はないとのこと。
結果的に“指南役”は背後にいたわけではなく、IBMだったことになる。ただし、AIやWatsonが目指す領域には今後さらに政府が関わるようなものが多くなってくると考えられ、米国政府のAIのとらえ方には注目が集まる。