米Gartnerは10月18日、2017年に企業/組織にとって戦略的な重要性を持つと考えられるテクノロジトレンドのトップ10を発表した。
Gartnerでは、テクノロジが出現したての状態を脱し、幅広く利用されより大きなインパクトをもたらす状態に入り、大きな破壊的可能性を持つようになったトレンドや、今後5年間で重要な転換点に達する、変動性が高く急成長しているトレンドを、「戦略的テクノロジ・トレンド」と呼んでいる。
Gartnerのリサーチ バイス プレジデント兼ガートナー フェローのDavid Cearley氏は、以下のようにコメントしている。
「Gartnerの2017年のトップ10のテクノロジ・トレンドは、インテリジェント・デジタル・メッシュの土台となるものです。以下で説明する最初の3つのトレンドは、『どこでもインテリジェンスとなる世界』に区分されます。ここでは、データ・サイエンスのテクノロジとアプローチが、どのように高度な機械学習と人工知能を包含して進化するか、物理システムおよびソフトウェア・ベースのシステムをいかにインテリジェントなもの、すなわち学習して環境や変化に適応するようにプログラミングされているものとして構築できるか、といったことに焦点が当てられています。その次に示す3つのトレンドは『デジタル・メッシュ』に区分されます。
ここでは、デジタルの世界に着目し、物理的な世界とデジタルの世界がどのようにしてより絡み合っていくのかという点に焦点が当てられています。最後の4つのトレンドは『デジタル・プラットフォーム革命』に区分されます。ここでは、インテリジェント・デジタル・メッシュの提供に必要なプラットフォームとサービスのメッシュに焦点が当てられています」
2017年に注目すべき戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10は以下の通り。
高度な機械学習(ML)と人工知能(AI)
この領域は、深層学習、ニューラル・ネットワーク、自然言語処理(NLP)など数多くのテクノロジやテクニックで構成されており、理解、学習、予測、適応といった新しい能力、さらには自律的なオペレーションの可能性を有する、従来のルールベースのアルゴリズムを超えたテクノロジが登場しつつある。
インテリジェントなアプリ
仮想パーソナル・アシスタント(VPA)などのインテリジェントなアプリは、人間のアシスタントが行う仕事のいくつかを実行し、日々の作業を楽にする(例えば電子メールの優先付け)とともに、最も重要なコンテンツおよびやりとりを強調することによってユーザーの効率を高める役割を果たす。また仮想顧客アシスタント(VCA)は、セールスや顧客サービスといった分野の作業などに、より特化している。これらのインテリジェントなアプリは、仕事の本質とワークプレースの構造を変革する可能性を持っている。
インテリジェントなモノ
インテリジェントなモノとは、融通の利かないプログラミング・モデルによる実行の先を行き、応用AIおよび機械学習を発展させて、高度な振る舞いをするとともに、周囲の環境および人とより自然にやりとりする物理的なモノを指す。例えばドローンや自律走行車、スマート・アプライアンスといったインテリジェントなモノが私たちの周囲に普及するのに伴い、インテリジェントなモノはスタンドアロン・モデルからコラボレーティブ・モデルへシフトするとGartnerは予測している。