RHELのその他のバリエーション
Red Hatは、特定用途向けのRHELについても機能を向上させている。こういった製品には以下のものが含まれる。
- 「RHEL Atomic Host」:これはLinuxコンテナの稼働に最適化された、最もフットプリントの小さなOSだ。アプリをRHEL Atomic Host上のコンテナ内で実行させるようにすることで、ハイブリッドクラウドをまたがるポータビリティを実現できる。また、RHEL Atomic Host 7.3のテクノロジプレビューとして、さらなるRPMレイヤを追加できるようにする機能が新たに導入された。これにより多様な環境を構築する際に必要となる柔軟性がさらに向上する。
- 「RHEL for SAP Business Applications」:これはSAP環境の稼働を念頭に置いて最適化されたOSであり、IBMの「IBM z Systems」と「IBM POWER(ビッグエンディアン)」でサポートされるようになった。
- 「RHEL Server for ARM 7.3 Development Preview」:これは64ビットARMベースのシステム向けOSであり、以下のアップデートを含んでいる。
- オープンソースの先進的な仮想化技術の1つである、KVMに基づく単一ホストの仮想化機能。
- プロトタイピングやスケールアウト配備目的で使用でき、オブジェクトやブロック、ファイル形式でのアクセスを可能にするソフトウェア定義ストレージである「Red Hat Ceph Storage」。
- 「Red Hat Developer Toolset」の初期サポート。これによりCやC++を用いる開発者に対して、64ビットARMプラットフォーム向けアプリの開発や診断、デバッグに使用できる、最新かつ安定したオープンソースツールが提供される。
上述した点すべてを考えた場合、クラウドのLinuxがUbuntuになり、メインフレームLinuxはSUSEになるかもしれないが、サーバ目的に新しいRHELを購入してもクビにはならないと言えるだろう。もう1度書いておくが、この新バージョンには、現在のRHELユーザーに対してRHELを使い続けるための、そして新規ユーザーに対して切り替えを検討するための説得力ある理由が備わっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。