レッドハットの「RHEL 7.3」--IoTやLinuxコンテナ、セキュリティなど強化

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子 2016年11月08日 06時45分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Red Hatは米国時間11月3日、「Red Hat Enterprise Linux 7.3」(RHEL 7.3)の一般提供を開始したと発表した。今回のリリースでは、パフォーマンスやセキュリティ、信頼性まわりの新機能や拡張が取り込まれているほか、Linuxコンテナ関連やIoT関連の新たな機能も導入されている。

 かつては、「IBM製品を購入してクビになった人間はいない」という言葉があった。しかし今や、ことLinuxサーバに関して言えば、(Canonicalの「Ubuntu」とSUSEの「SUSE Linux Enterprise Server」(SLES)を差し置くのは気が引けるが)「Red HatRed Hat Enterprise Linux(RHEL)を選択するのであればクビになることはないはずだ」と言える。Red Hatは今回リリースしたRHEL 7.3で、RHELを選択すべき数多くの説得力ある理由を盛り込んでいる。


新しいRHELにはサーバ向けやデータセンター向けの数々の改善が施されている。

 RHEL 7.3では、パフォーマンスやセキュリティ、信頼性まわりの新機能や拡張が取り込まれているほか、Linuxコンテナ関連やIoT関連の新たな機能も導入されている。そういった点について以下で解説する。

パフォーマンス

 RHEL 7.3ではネットワークの高速化というニーズに応えるために、「Open vSwitch」でカーネルレベルの軽量トンネルをサポートするようになった。これにより、RHEL 7.3のゲストインスタンスをよりセキュアにするとともに、その効率とスケーラビリティ、柔軟性を向上できるようになる。さらに、バルクパケットメモリアロケータに対する機能拡張によって、ネットワーキングインターフェース(40Gbおよび100Gbの双方)のパフォーマンスが向上している。

 一方、データベースやイベント処理、仮想マシンといった、高負荷トランザクションを扱うアプリケーションに目を向けると、高い入出力(I/O)特性と低いレイテンシが要求される。こういった要求は、不揮発性メモリのような新たなハードウェア技術によって取り組まれており、RHEL 7.3では高速かつ低レイテンシな次世代型不揮発性メモリをサポートしている。さらにRHEL 7.3は、Block SCSIレイアウト形式とFlex Filesレイアウト形式のサポートにより、パフォーマンス要求の厳しいParallel NFS(pNFS)クラスタの管理を容易にしている。

セキュリティとアイデンティティの管理

 RHEL 7.3はセキュリティに関して、以下のような新たな機能や拡張も採用している。

  • SELinux」に対するアップデート:粒度の細かいシステムレベルのアクセス制御ポリシーを強制するメカニズムにより、迅速なポリシー作成を実現するとともに、使用容易性を全体的に向上させている。SELinuxは使うのが難しいことで有名だ。RHELの製品マネージャーであるSiddharth Nagar氏は、「RHEL 7.3ではSELinuxの使用容易性が間違いなく向上している」と述べている。
  • 一貫性のあるコンプライアンス検証メカニズムをコンテナ化されたワークロードと、コンテナ化されていない従来のワークロードの双方に提供することで達成される全体的な運用効率の向上:これは、Security Content Automation Protocol(SCAP)のオープンソース実装であるOpenSCAPを拡張して実現されている。SCAPによって、エンタープライズレベルのLinuxインフラに適用できる標準的なコンプライアンス検証ソリューションが提供される。また、OpenSCAPのGUIツール「SCAP Workbench」を用いたSCAPベースのポリシー設定もより簡単に実行できるようになっている。
  • Red Hatの「Identity Management」ソリューションに対する改善:これには、大規模インストレーションのためのパフォーマンス向上や、「Active Directory」を用いたスマートカード認証のサポート、個別のホストやサービスに対する設定可能な認証強度のサポートが含まれている。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]