トップインタビュー

ビジネスに強いエンジニアをトップに据えて急成長、AIで採用を変える--ビズリーチ - (page 3)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2017-01-18 07:00

--HRMOSでは、どのように人の「適正」を判断していくのでしょうか。

 具体的には、いくつかのシンプルな学習モデルを作っていく感じです。画像解析のような形で、履歴書のようなその人に付帯している情報をひとつのバイナリデータとして処理する。たとえばグラフをプロットして、「良い」「悪い」で単純分別をする。他にもたとえばレジュメの内容を全部、形態素解析というか、単語の品詞分解をして、そのレジュメの中にどういう文字がどれぐらい使われているかも分析します。

 似たような経歴の人が似たようなレジュメを書いたとしても、「数字をこのくらいにしました」という事実に基づく定量データまで書いてあるレジュメとそうでないレジュメでは圧倒的に前者の方に優秀な方が多いと思われます。

 そういった品詞や、実際に使われている文字のカテゴリなどがどの辺に寄っているかによって優劣が導き出せる可能性があります。出身大学の偏差値や会社情報などの要素はいまのところ考慮していませんが、データをどんなバランスでブレンドしていったら一番正解に近いのか学習モデルを組み、評価データと突き合わせて整合性があるものが作れれば、事業に貢献できると思います。


--従業員数がここ4年で50人から760人と急拡大していますが、好調の要因は。

 経営陣がITでの成長にコミットしているからです。われわれは各事業部のトップやナンバー2には必ずエンジニア、技術がわかる人間を置いています。必ずプロダクトとセールス、ビジネスというものを考えて、この問題はビジネスで解決するべきか、プロダクトを変えていくようにテクノロジで解決していた方がコストダウンできていいかなどを判断します。

 これをすべての事業部でがっぷり四つにやっているので、経営の意志とプロダクトのテクノロジ面での解決レベルが高いということでしょうか。

 技術がわかる人間が意志決定の部分にいなくなると、テクノロジでの解決ができなくなります。そんなにたくさんのことをロードマップに設定できないですから、本当に会社が衰退すると思います。ちなみに、テクノロジでの解決というのは平たくいえばコストダウンです。エンジニアの資質のヒストリーも考えていくと、日本のエンジニアというのはコストをカットしていく、仕組み化して人を減らしても動くようにするようなことは得意だと感じています。

 ですからエンジニアがいれば、大きな投資をし続けていても、それを上回る利益を上げられるようなビジネスを上積みできる。だから採用がどんどんできます。また、新事業も、優れたエンジニアの存在が必要です。

 そうしたことは、ある程度企業文化で担保している部分もあると思います。ビズリーチはどの事業部も、エンジニアとビジネスサイドの人間が縦割りにはなっていません。横のメンバーのコミュニケーションが活発です。

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