そのように営業やマーケティングの課題に対して考えられ、解決できるエンジニアはどんどん求められます。課題解決を楽しめる人間が、目に見える課題に取り組むことについて「どんどんどうぞ」という企業カルチャーになっているので、成果を出す人をピックアップしやすいです。
つまり、モノを作るだけがエンジニアの仕事ではないと思っている人間が出世しやすい。モノ「も」作れるけれども、このモノがビジネスにどうリンクするのかと思える人たちが大事です。いわば課題という栄養分を取り込んで、強くなっていく。
そういうカルチャーと、ビジネスの素質を持つメンバーが一定確率で採用できていることから、強いテクノロジ組織ができていき、一定の知見の中にさらに新たなテクノロジが入ってくるという環境、企業文化ができていることが強みだと思います。
--今後の展望は。
次の3年後、5年後を考えると、私の視野にあるのはスマートフォン「だけ」です。企業のあらゆる業務がスマートフォンで完結するイメージを持っています。それは機械学習やディープラーニングが進化することで、デバイスにたくさんのボタンは必要なくなると考えるからです。少し飛躍しますが、次の業務はこれをすればいいというようなサジェストができるようになると思うので、その操作はスマートフォンでも可能だと考えています。
たとえば、社員の誰かが引っ越しをしたと仮定すると、どこにどういう連絡が必要なのかという話がでてきます。そこに「りんな」のようなチャットボットを作って「それは総務のここに連絡したらいいよ」とボタンを表示させて案内のまま操作すれば、住所変更届が完了できる。結果が同じでも途中の経路が最短のものをサジェストしてくれるーー。私はそういうところが人工知能の良さだと思っています。そうなると小さい画面でも充分です。
スマートフォンの中に会社で利用するソフトウェアの機能をすべて閉じ込めていきたい。会社の間接業務をなくして手のひらサイズに収められればいいなと思っています。新興国でも先進国でも、会社がすべてスマートフォンの中に入っている世界が来ると思っています。これが実現したら、オフィスが必要なくなるかもしれません。
「スタンバイ」に「チャット動画面接」機能を加え、仕事を決定するまでの全てのステップをスマートフォンだけで完結できるようにした
直近では、スマートフォン向け求人検索アプリ「スタンバイ」にチャット動画面接機能を加え、仕事を決定するまでの全てのステップをスマートフォンだけで完結できるようにしました。メールや電話を使わず、採用情報の入力などの手間が省け、採用活動にかかる時間を短縮する「光速採用」を目指しています。
スマートフォンさえ持っていれば、バーチャルな組織がみなこの中にあるという世界を、HRMOSで実現できたらいいなと考えています。これからの3年で、足がかりは作りたいですね。