クラウド移行を促進するのは技術よりもビジネスの現実:オラクルのハードCEO

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2017-01-18 11:23

 Oracleの最高経営責任者(CEO)、Mark Hurd氏によると、クラウドコンピューティングへの移動は技術というよりも、ビジネスの現実が後押ししているという。

 Oracleがクラウド顧客向けに各地で開く「Oracle CloudWorld」の米ニューヨークでの檀上で、Hurd氏は世界のGDPの成長は2%程度にとどまるとした。成長の半分は中国からという。この沈滞モードがクラウド支出を加速しているとHurd氏。


 結論は、中国を大規模な市場として見ていない企業は成長しない、というものだ。1995年にFortune 500にランクしていた企業の88%がリストからいなくなってしまったが、中国市場を無視するとその88%になる可能性がある、とHurd氏は言う。

 Oracleのイベントでは、サービスとしてのインフラとプラットフォーム、人事、財務、サプライチェーン、顧客体験のトラックが用意された。Oracleのクラウド戦略担当エグゼクティブバイスプレジデントでNetSuiteの元CEO、Zach Nelson氏も参加し、クラウド実装の5つのルールについて話した。

 Hurd氏は自社のクラウド事業を強引にプッシュすることはなく、セキュリティと敏捷性が改善されることと予算の管理をクラウド実装の主要な理由に挙げた。

 しかしより大きな視点で見ると、Oracleの営業トークはクラウドに移行する以外に選択肢はない事業部のトップに向けられたものだ。明らかにOracleはこの移行を支援したいと思っており、Hurd氏はハイレベルのアプローチで必要性を説いた。

 製品開発担当プレジデントのThomas Kurian氏は、「Oracle Cloud」を深いレベルで説明した。Kurian氏はプラットフォーム・アズ・ア・サービス(PaaS)の成長、データの視覚化ツール、インスタンスをプロビジョニングする際のユーザー体験などについて話し、複数のクラウドに接続したり、データを移行したりできるアーキテクチャをOracle Cloudが備えていることにも触れた。

 CEOの平均的な任期は18四半期であり、コスト削減、イノベーション、顧客体験の改善を同時に行わなければならない、とHurd氏。これらの多くは18四半期では実を結ばない。

 「CEOの40%は18四半期以上続けることができない。CEOより役割が先行する」とHurd氏。「投資家は基本的に共感してくれない」とも述べた。

 Hurd氏は、「シェアを獲得しなければならない。GDPが成長しないのであれば、他社の顧客を奪うしかない」と続け、OracleはCEOが市場シェアを獲得するのを支援すると続けた。


 

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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