--日本市場での最優先事項は何か?
日本市場はとてもユニーク。経済面は縮小気味だが、大きな市場であることに変わりない。ただ、技術の受け入れという点では、少し遅い。現在でもメインフレームが使われている。
日本市場での優先事項は3つある。1つ目はハイブリッドITへの移行支援。特にアプリケーションのモダン化は課題だ。日本企業はアプリケーションのカスタマイズが多く、レガシーが今でも現役だからだ。
2つ目はエッジ。先ほど述べた通り、日本市場にとって大きな意味を持つもので、HPEにとっても重要だ。エッジで収集したデータを分析するビックデータ分析も大きなチャンスがある。
3つ目はサービス。日本企業は自社のIT/ビジネス戦略を決定するにあたって支援を必要としている。HPEは日本で優れたコンサルチームを持っており、日本の顧客のハイブリッドITへの移行、エッジのチャンスをマネタイズする支援などを行なっていく。
--スピンオフにより事業が少なくなった分、提携戦略を積極的に進めているように見える。
過去にもわれわれは、VMwareの成長を間接的に支援したし、Windows Serverが大きな事業になるのも助けた。Red Hatの成長も支援した。
現在もさまざまなところと手を組むチャンスがある。サービスのスピンオフニよりエコシステムが広がった。HPEにはインフラレベル、ソフトウェア定義レベルでイノベーションがあり、われわれと手を組みたいと思っているところは多い。ITはこれまで以上に迅速に動かなければならない。1社で全てできないので、幅広いパートナーエコシステムが必要だ。私が抱えるエンタープライズグループの売り上げの70%はチャネルパートナーを経由している。
このように提携はわれわれにとって自然なものだが、Dockerなどユニークな提携関係もある。Dockerは革新的な企業で、アプリケーションの開発を高速化する必要性を理解しているベンチャーだ。だがDocker1社ではできない。HPEと提携して、われわれのインフラを共有する必要がある。
Microsoftも同じだ。HPE DiscoverではMicrosoftでクラウドを率いるScott(Guthrie氏)をステージに呼び、オンプレミスでもクラウドでも同じように利用できる、顧客が望んでいることは何かをわれわれは共有している。