設計者を「Augmented(拡張)」するツールに
「Simulation」の分野で特筆すべき機能が、トポロジー最適化の「Generative Design」である。
トポロジー最適化とは、製品を使用する際に要求される荷重/拘束条件を満たしつつ、設定した設計空間で、最も効率のよい形状を生成することを指す。つまり、設計者が条件を設定すれば、その機能を満たす最適な形状を、コンピュータが自動的に提示していくというものだ。
トポロジー最適化の「Generative Design」はシュミレーションを繰り返しながら構造物設計の最適化を図る(画面提供:SOLIDWORKS)
微細構造を使った形状構築など、新たな製造手法が登場する中、コンピュータが担う役割は肥大化している。複雑性のある特定のタイプの設計は、人の手による細かい作業が必要だ。「Generative Design」は、こうしたタイプの設計業務を効果的に支援する。
SOLIDWORKSで最高経営責任者(CEO)を務めるGian Paolo Bassi氏
SOLIDWORKSで最高経営責任者(CEO)を務めるGian Paolo Bassi氏は、「CADのAは“Aided(補助)”だが、(新バージョンとなる)SOLIDWORKS 2018は、“Augmented(拡張)”を意味するものになる。今後はビッグデータとコンピューティングパワーが設計者のイマジネーションを“Augmented”し、インテリジェントな提案を提供するようになる」と力説する。
一方、IoTではパートナーとの連携を強化し、インターネット接続を前提とした製品設計を推進する。具体的には、プリント基板(Printed Circuit Board)設計ツールである「SOLIDWORKS PCB」や電気図面設計ツールの「SOLIDWORKS Electrical Schematic」を組合せる。なお、収集したデータやIP (Internet Protocol)は、同社のパートナー企業で、IoT向けクラウドストレージサービスを展開する米Xivelyが管理するとのことだ。
IoTのエコシステムでは同社パートナーであるXivelyのIoTプラットフォームを活用していくという