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人類は人工知能を使いこなせるのか--AIの未来と社会実装を議論 - (page 3)

林 雅之

2017-04-06 07:00

 スカイプ共同創業者、Center for the Existential Risk共同創設者、Future of Life Institute共同創設者のジャン・タリン氏は、特に、AIのデメリットをどのように解決していくべきかという点を中心に意見を述べた。たとえば、サイバー戦争を物理的な戦争にしないためにはどうすればいいのか、どのようにすれば、市販のAIツールを使って悪い目的に使うことをできないようにするかなどを検討しているという。


スカイプ共同創業者、Center for the Existential Risk共同創設者、Future of Life Institute共同創設者 ジャン・タリン氏

 宍戸氏は、AIが連携した際の適切なガバナンスについて、人類に対するリスクをもう少しプロアクティブ(事前対策的)にグローバルなガバナンスを考え、異なるアプローチを投入し、全体の見通しを持つためのコンセンサスを得る場が必要と述べた。これまで、プラットフォーム事業者が重要な役割を果たしてきたが、レイヤ内やレイヤ間の協力をどのようにするのか、議論していくべきであると強調した。政府の役割は、グローバルガバナンスを進めるにあたって、市民の意見や参加を促すことが重要とし、官民協力したネットワークを構築していくことが重要ではないかと述べた。

 総務省情報通信国際戦略局長の谷脇康彦氏は、たくさんの論点が出ていた中で、3者以上のステークホルダーにより対等な立場で議論する「マルチステークホルダー」のプロセスの重要性を強調した。谷脇氏は、これまで、インターネットガバナンスに関わってきたが、マルチステークホルダーのプロセスはAIネットワークにおいても重要と述べた。OECDをはじめとしたグローバルコラボレーションが必要であり、これにより、AIの運用の相互理解を深めることの必要性を示した。


経済協力開発機構(OECD)科学技術イノベーション局デジタル経済政策課長 アン・カブラン氏

 開発ガイドラインの検討については、政府が規制をかけようとして、自由な開発ができなくなるという意見に対しても議論がなされた。氏は、規制の話をしているのではなく、便益につながるための開発ガイドラインの話をしているとし、ガイドラインがあれば、たとえば、人々が不安に感じている製品を売ることもなくなるだろうと述べた。ガイドラインを通じて、人類の幸せや生活の増進ができるのか、考えていくことの必要性も示した。

 経済協力開発機構(OECD)科学技術イノベーション局デジタル経済政策課長のアン・カブラン氏は、OECDでは、開発ガイドラインのスコープを2017年末までに出す予定で、研究開発に関する原則だけでなく、利活用に関する原則についてもその必要性も検討しているという。オープンリサーチやデータに対するオープンアクセスも重要であり、大変な作業になるが、長期的に有効なガイドラインの策定が必要であるとした。

 その上で、ガイドラインは、現在のAIをカバーするとともに将来の汎用AI(人間レベルの知能の実現を目指すAI)の可能性をも視野に入れて、技術中立的かつ柔軟性を持つものとしなければならないという考えを示した。

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