イタリア共和国経済財政大臣顧問のベネデッタ・アレーゼ・ルチーニ氏は、G7の主催国としてテーマにあげ、G7でどうやったら共通理解を深め、国際的に適応していくか、メリットや危険性も含め、すべてのユーザーが平等に国民の誤解を生むことのないように、議論を進めて行きたいと述べた。
イタリア共和国経済財政大臣顧問 ベネデッタ・アレーゼ・ルチーニ氏
谷脇氏は、ガイドラインは長期的な視野のものに、コンセンサスを取ることが重要と指摘されている中、総務省の立場としては、AI利用のガイドラインは、ソフトロー(規範)でのアプローチが重要であり、技術の中立性が重要であると述べた。政府の役割は、AIによるリスクが多く出てくるが、リスクは政府が扱うものであり、AIの開発コミュニティへの政府のサポート、G7やそれ以外についても協力が重要である点を述べた。
開発原則分科会で開発ガイドラインが議論されている中、会議で最も重要なのは、AI同士が連結されてどう使うか、どういう社会を目指すかという検討しているという。堀氏は、AIの相互連携により、何がおこるか予測するのは非常に難しく、データそのものに大きく影響すると述べた。AIの相互連携では、ネットワーク化システムの透明性や管理性を決め、AIシステムの安全性を増進するような内容を策定する必要性を示した。
ジャン・タリン氏は、AIにおける制御性や透明性、安全性などは、高度化されたAIのレベルにはほど遠い段階であり、現在のメカニズムでは、歯が立たない状況で、研究をさらに進めなければならないと述べた。そのため、Future of Life Instituteの活動を通じて、一般のコミュニティにも広げていき、継続的にチューニングをしていくという。
欧州議会法務委員会事務局課長 ロバート・ブレイ氏
欧州議会法務委員会事務局課長のロバート・ブレイ氏は、AIシステムの安全性をどう担保するという点について、EU議会では、人間に対してロボットは危害を与えないようにするのが最優先であり、AIが原因となって事故に対して誰かが責任を負うのか、AIによる人間の安全性の国際的な標準化の必要性を示した。
エドワード・フェルテン氏は、利用者への支援のあり方について意見を述べた。ほぼすべての活動において、AIは人のチームメートになってほしいという考え方があり、ロボットはより精密な作業ができ、コグニティブシステムでは、人のミスを除去することができるといった人間の活動を補完する役割を強調した。
ロボットが強力であれば人を傷つける場合や、チームメートになるためにはその人の考え方を理解する必要があり、高齢者の介護の場合は適切なケアのレベルをロボットは理解する必要があるように、どう人間と調和していくのか、社会の中での繊細なやりとりを理解できるような開発が必要であると述べた。