Amazon Web Services(AWS)は米国時間3月28日、クラウドベースのコンタクトセンターサービス「Amazon Connect」をローンチしたと発表した。これによって同社は、Salesforce.comやSAP、Oracleといった企業が大きなシェアを占めている、利幅の大きな顧客サービス市場でのさらなる展開を推し進める。
ここでさらに重要なのは、AWSがAmazon Connectによって、同社のルーツであるIaaSからクラウド市場の上位階層に向けて上がっていこうとしている点だ。AWSはインフラという枠を超えた戦略の展開に活用できる、アナリティクスや生産性ツール、データベースといったサービスを有している。
サービスとしてのコールセンターを提供するAmazon Connectは、同社のEコマース運用で用いられているコンタクトセンターテクノロジに基づいている。Amazon Connectのセットアップは「AWS Management Console」から行い、担当者がかかってきた電話に出られる状態になるまでにわずか数分しかかからないという。AWSは、ブログとプレスリリースでAmazon Connectの詳細を説明している。
SalesforceはAWSとの戦略的提携拡大の一環として、「Salesforce Service Cloud Einstein」をAmazon Connectに統合すると述べている。ただ、これら2つのサービスが今後、どのように競合していくのかはまだ分からない。
AWSが提供する他の多くのサービスと同様に、Amazon Connectは従量制となっている。AWSは要求に応じて「万単位の数の担当者」をサポートできるスケーラビリティを備えた仮想コンタクトセンターとなる。またAmazon Connectは、コールセンターに電話をかけてくる相手に応じたコールフローを設計するツールや、AWSの他のサービスやデータベースとの連携、サードパーティーの顧客関係管理(CRM)やアナリティクスツールへの接続といった機能を特長としている。
Amazon Connectのダッシュボード
コールフローもカスタマイズできる。
同社の発表では、GE Appliancesや、通信ソフトウェア企業のBandwidthがリファレンスユーザーとして挙げられている。
Amazon Connectは「Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)」や「Amazon Redshift」「Amazon QuickSight」「AWS Directory Service」といったAWSのツールとの連携により、データウェアハウスやアナリティクス、クレデンシャルを統合する。またサードパーティーとの統合という面では、AppianやCalabrio、CRMNEXT、Freshdesk、Paxata、Pentaho、Pindrop、Salesforce、SugarCRM、Tableau Software、Twilio、VoiceBase、Zendesk、Zohoといった企業のソリューションと組み合わせることが可能だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。