展望2020年のIT企業

ドローンを駆使する新ビジネス創出への期待

田中克己 2017年03月30日 07時30分

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 ドローンを駆使した新しいビジネスへの期待が高まる。宮城県仙台市に本社を置くトライポッドワークスの佐々木賢一社長はその1人だ。多くのIT企業が使い方を模索する中で、同社はIoTデバイスの1つとしてとらえて、その可能性に賭けている。

仙台を拠点にするトライポッドワークスの取り組み

 トライポッドワークスは、日本オラクルで東北支社長を務めた佐々木賢一社長がUターン、Iターンする東北出身らの優秀な技術者の受け皿として、2005年に立ち上げた。「仮説通り、東京にいたら、採用の難しい人材が集まった」(佐々木社長)ので、セキュリティ製品の開発を始めた。「集まった人材がOSやネットワーク、ファームウエアなどインフラ系に長けた技術者だった」(同)からだ。佐々木氏自身もデータベース管理を極めてきた技術者でもある。

 商品化したのは、今も大きな収益源のインターネット上で大容量のファイル送信やファイル共有が行えるオンラインストレージや、電子メールの誤送信を防止するセキュリティ製品などだ。画像関係の組み込みソフト開発も手掛けた。ある大学からの委託で、スマートフォンで写した掌を画像認識技術で個人認証に使う実証実験に参画する。ドライブレコーダーを使った自動車の安全運転の実験にも携わったという。

 そうして蓄積した画像関連ノウハウを生かし、約3年前に映像事業に乗り出した。手始めにIPカメラを使った業種別の映像解析ソリューションを開発する。たとえば、土木工事の開始から終了までを同じ位置から撮影し、工事プロセスを見える化する。後々の保守に役立つし、偽装防止にも有効に働くという。工事現場のリアルタイムな進捗管理や、建設機械の稼働状況監視から効率的な活用にも使える。

 トライポッドワークスのこうした映像事業を、国土交通省が推進する建設業のIT化を加速するiコンストラクションが進化もさせた。「カメラを動かせば、もっと効果的な活用が生まれる」と考えた佐々木社長は、ドローンにのめり込んでいったという。とはいっても、プロモーション動画の制作。地方創生とインバウンド絡みで、長崎県の五島列島や山形県の山形蔵王など30件以上の動画撮影を請け負う。大学のキャンパスや工場からの仕事も舞い込む。

 だが、プロモーション動画撮影は、ITビジネスなのだろうか。「なんで、IT屋がドローンをやるのか」と言われることもある。「ドローンはまだ黎明期で、法整備もこれからだろう」(佐々木社長)。宅配にドローンを使うようになれば、空を飛ぶ何万、何十万台のドローンが衝突しないように、人や建物にぶつからないよう安全、信頼できるドローン、ルールなどが求められる。「だからこそ、たくさんの経験を積み、ドローンに精通しておく」(同)。

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