調査

全国の国公私立大学の8割がクラウド化を推進--文科省調査

NO BUDGET

2017-04-16 07:00

 文部科学省は、3月24日、「平成28年度学術情報基盤実態調査」の結果を公表した。これによると、全国の国公私立大学、計778大学(国立86、公立88、私立604)のうち、627大学(80.6%)が情報システムのクラウド化を推進しており、76大学(9.8%)が運用を検討中だということが分かった。クラウド化の効果としては、、503大学(80.2%)が「管理・運用等にかかるコストの軽減」、482大学(76.9%)が「利便性・サービスの向上」を挙げている。

 同調査は、インターネットを利用したオンライン調査システムにより回答を得ており、国公私立大学の学術情報基盤(大学図書館、コンピュータ及びネットワーク等)の現状を明らかにし、その改善・充実のための基礎資料とすることを目的にしている。


クラウドの運用状況

 クラウド化の用途は、管理運営基盤(電子メール、ホームページなど)が578大学(92.2%)、教育・学習基盤(eラーニング、遠隔講義など)が366大学(58.4%)、研究基盤(研究データ管理、高性能計算機など)が96大学(15.3%)となっている(複数回答有)。

 また、クラウド化していない大学は98大学。その理由で最も多いのは、「セキュリティ面・信頼性に不安」(64.9%)。

 同調査では、学内ネットワーク(学内LAN)の整備や、セキュリティ対策、高速計算機(スーパーコンピュータ)の保有状況などについても回答を求めている。

 学内LANを有する776大学のうち、2016年度に、通信速度1Gbps以上の回線を整備している大学は694大学(89.4%)、そのうち 10Gbps以上とする大学は22 大学28.5%)。また、対外接続回線の通信速度が10Gbps以上の大学は101大学(13.0%)。

 セキュリティ対策では、国立大学では全大学でセキュリティポリシーが策定されている。公立大学では13大学(14.8%)、私立大学では197大学(32.6%)が未策定。

  最大理論性能が10TFLOPS以上のスーパーコンピュータを保有している大学は、26大学(3.3%)で、計79台を保有している。この数は、前年度より10台増加している。国立大学では、55大学(64.0%)がスーパーコンピュータを利用している(他機関のものを利用する場合を含む)。最も多い利用研究分野は、創薬・ライフサイエンス分野で39.4%。

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